良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第31回は、「意外とよくできたね」。
Antonio Guillem/shutterstock
■「意外とよくできたね」がよけいなひと言なのはなぜ?
人はほめられるとうれしいもの。でも、ほめたり励ましたりする言葉ならどんな表現でもいいかというと、そういうわけではありません。
たとえば、ふだん自分のなかでは高く評価していなかった部下が、いつもよりいい成果を出した場合など、うっかり「意外とよくできたね」「思ったよりもよかったね」などと、よけいなひと言を付け足して嫌味な言い方をしないように、気をつける必要があります。
自分はほめているつもりでも、相手は、自分のふだんの評価の低さからくる言葉の意味を敏感にキャッチして傷つきます。
また、「良い・悪い」は相手を評価する言葉の代表。相手の言動の良し悪しを一方的に判断している、上から目線のネガティブなイメージを与えることがあります。
■言いかえるならこれ!
「意外とよくできたね」はよけいなひと言。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「あなたならできると思っていたよ」
が正しい!
本人にフォーカスした「プラス言葉」で相手のやる気を高めましょう。
■さらに上手に使うには?
部下の成果をほめるときは、「〇〇さんならできると思っていたよ」「いい結果で、私もうれしい」とプラス言葉で率直な気持ちを伝えることで、相手のやる気が高まります。
反対に、部下の仕事が残念な結果に終わったときは、どんな声掛けをすればよいでしょうか?
「がっかりした」「きみに期待したのが間違いだった」などと傷口に塩をぬるようなことはせず、「今回の結果をふまえて、次につながる方法を考えよう」と、未来に向けての声かけを意識してください。失敗によって人は成長していきますから、思わぬ結果が出ても相手を責めないようにしたいですね。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子