良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第30回は、「体調を崩さないようにお気をつけください」。
oatawa/shutterstock
■「体調を崩さないようにお気をつけください」がよけいなひと言なのはなぜ?
送ったメールを相手に気持ちよく読んでもらうためには、ネガティブな表現をできる限り避けた文面にすることが大切です。
ところが、冬本番になると必ず、「寒さ厳しき折、風邪など召されませんようにお気をつけください」と書き、暑い季節になると、「猛暑の折、夏バテなどされませんようにお気をつけください」といった結びの言葉を書く人がいます。
何の病気もしていない元気な人にとって、わざわざネガティブな心配をされるのはいい気はしません。実際に体調を崩している人にとっては、暗い気分になってしまう可能性もあります。
「言霊」という言葉が昔からあるように、言葉には魂が宿るという考えがあるので、メールの文章も“肯定的でポジティブな言葉遣い”のほうが、読み手によい印象を与えることを心に留めておきましょう。
■言いかえるならこれ!
「体調を崩さないようにお気をつけください」はよけいなひと言。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「お健やかにお過ごしください」
が正しい!
結びはポジティブな言葉で、読後感よく終わるように。
■さらに上手に使うには?
たとえば、「急に寒くなりましたが、お健やかにお過ごしくださいませ」という結びであれば、思いやりを感じるポジティブな言葉なので、相手も気分よく読み終えることができます。わざわざ体調のことに触れなくても、「またお目にかかれますことを楽しみにしております」と最後に添えるだけで、読んだ人は気持ちよく感じるものです。
メールの文章でも、読後感を大切にすることを心がけたいですね。
■引用したのはこちら
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子