良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから!ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第20回は、「そんなのたいしたことないよ」の言いかえについて。
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■「そんなのたいしたことないよ」と言うのがNGなのはなぜ?
もしもあなたが、嫌な出来事があって悩んでいるとき、他人から「そんなのたいしたことないよ」「気にしなくていいよ」と言われたらどんな気持ちになるでしょうか。
悩んでいる内容が「たいしたことじゃないかどうか」は、当事者でなければわかりません。「気にするかしないか」も、本人が簡単にコントロールできればそもそも悩まずにすむはずです。
こうした発言は、「あなたの悩みは無意味で価値がない」と決めつけて、悩んでいること自体を否定していることになるので、言われたほうはとても気分を害する言葉なのです。
■言いかえるならこれ!
悩んでいる相手に「そんなのたいしたことないよ」と言うのはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「何が一番気になっているの?」
「心配なことや困っていることがあったら話してみて」
が正しい!
元気を出してほしいと思うなら、相手が気持ちを吐き出しやすい言葉をかけましょう。
■さらに上手に使うには?
たとえば、上司に叱られて落ち込んでいる同僚がいたら、「上司に言われたことで何が一番気になっているの?」と聞いてみてください。
そのときに、あれこれアドバイスする必要はありません。「そんな思いをしたんだね」と、話を聞いてあげるだけでスッキリして元気になる人もいます。その後に本人が「いろいろ話を聞いてもらえてよかった」と言ってくれたら願ったりかなったり。
好かれる人は、相手の心のテリトリーにグイグイ踏み込まず、適切な距離感を保っています。自分と相手のテリトリーが重なる部分が狭くて濃いほうが、良好な人間関係を育むことができます。
■引用したのはこちら
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子