良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから!ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第16回は、「私も同じだから、わかる」の言いかえについて。
![共感を伝えたいときに「私も同じだから、わかる」はよけいなひと言](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/bd/bd578782-2670-4fb8-89b6-c7f47838275a.jpg)
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■共感を伝えたいときに「私も同じだから、わかる」がよけいなのはなぜ?
話し相手がネガティブなことを話題にして、自分も同じような経験をしたことがあると、距離を縮めたくて「私も同じだから、わかる」と言ってしまう人がいます。
しかし、「同感」と「共感」は似て非なるもの。同じ経験をしたとしても、他人と自分の考え方や価値観がまったく同じということは絶対にありえないのです。
そのことを踏まえたうえで、弱っている人や困っている人を慰めたり励ましたりしたいときは、言葉を選ぶ必要があります。
■言いかえるならこれ!
共感を伝えたいときに「私も同じだから、わかる」と言うのはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「同じではないけれど、わかる気がする」
が正しい!
こちらの方が適切です。
■さらに上手に使うには?
カウンセリングの場でも、安易な同感は、基本的にしません。
ただ、通常の会話の場合は、同意してほしいこともあると思います。そんなときに、「同じではないけれど」という前提ありきで関われたらいいですね。
さらに注意してほしいのが、その後よかれと思って、「自分はこうだったから、こうしたほうがいい、ああしたほうがいい」と一方的なアドバイスをしないことです。相手を心配する気持ちはわかりますが、相手と自分の体験は別物。どんなに説得力のあるアドバイスをしたところで、他人には役に立たないことのほうがほとんどです。
■引用したのはこちら
![サンマーク出版 大野萌子著](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/26/2660161c-9fb6-46f8-895c-9c0c10641519.jpg)
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子