良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから!. ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第14回は、ほめられたときに言いがちな「そんなことないですよ」。
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■ほめられたときに「そんなことないですよ」と返すのが、よけいなのはなぜ?
日本には謙遜を美徳だと思う文化があるため、人からほめられてもすぐに、「そんなことないですよ」「全然ですよ」と謙遜する人が少なくありません。しかし、謙遜しすぎると、せっかくほめてくれた相手の気分を害してイラッとさせたり、気を遣わせてしまうことがあります。
たとえば、「大変な仕事をよく頑張ったね」とほめた部下から、「ありがとうございます。先輩のおかげです」と言われるのと、「そんなことないですよ。まだまだ全然ダメですよ」と言われるのとでは、印象がまったく異なりますよね。
後者のように謙遜するのは相手の好意を否定する行為ですし、自虐的に自分を貶めるのは、もっと認めてほしい気持ちの表れでもあります。
■言いかえるならこれ!
ほめられたときに「そんなことないですよ」と返すのはよけいなひと言。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「ありがとうございます」
が正しい!
■さらに上手に使うには?
仕事に限らず、たとえば趣味やファッションをほめられたときに、「でもこれ安物だから」などと自虐に走る人がいます。
だからといって、素直に「ありがとう」と認めると、自慢になりそうで心配……。そういうときは、「この服、私もお気に入りなんです。いいものが見つかってラッキーでした」などと、「運」のせいにするのもひとつの方法。こう言うと、角が立ちません。
ほめ言葉は、上手に受け取り、上手に返しましょう。
■引用したのはこちら
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子