良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから!ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第19回は、「あなたのためを思って」の言いかえについて。
imtmphoto/shutterstock
■「あなたのためを思って」と言うのがよけいなのはなぜ?
ビジネスの場で、「あなたのためを思って」と言う人は要注意。それは「自己満足のため」の言葉で、自分が相手に「こうしてほしい」と思っていることを「あなたのためよ」と善意のように見せかけて支配しようとしているからです。
こうした言葉を使って部下や後輩をマウンティングする人が意外といます。特にターゲットになりやすいのは、自己主張をしない人。また、指示に対して「このやり方だと甘いんじゃないですか?」と痛いところを突いてくる、能力の高い部下です。自分の手に負えないと感じると脅威を覚えるからです。
誰かに対して「負けたくない」と思っている人ほど使いやすいので、気をつけましょう。
■言いかえるならこれ!
「あなたのためを思って」と言うのはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「私はこう思っている」
「私の考えではこうしたほうがいいと思う」
が正しい!
本当に相手のために伝えたいときは、簡潔に内容を伝えるにとどめましょう。
■同じように間違いやすい表現は?
「厳しいことを言うようだけど」という前置きも同じで、自分が相手をコントロールしたい気持ちが強いときに出てくる言葉です。その後に続くのはたいてい、相手への期待を裏切られたことに対する不満や攻撃。
「期待」というのは、思い通りにならないと「攻撃」に変わりやすいのです。
マイナスな感情は言葉に出やすいので、自分を客観視して冷静な対処を心がけて。
■引用したのはこちら
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子