良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから!ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第24回は、ほめ言葉の「さすが」。
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■「さすがですね」とほめるときに注意が必要なのはなぜ?
「さすが」「すごい」は、ほめ言葉の決まり文句。ただ、”上から目線”で、相手の行いを評価している言葉です。「あなたによくそういうことができましたね。たいしたものです」というニュアンスがあるので、目上の人に使うと失礼になります。
自分より下の立場の人に対して言う場合も、「さすが」「すごい」だけだと、お世辞やご機嫌取りのようにしらじらしく聞こえる場合があるので要注意。
万能だと思って安易に使わないようにしましょう。
■言いかえるならこれ!
ほめ言葉で「さすがですね」だけはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「〇〇がよかった、さすがですね」
が正しい!
何が「さすが」なのか”具体的な理由”をつけ加えましょう。
■さらに上手に使うには?
もし相手のやる気を引き出したいなら「結果」だけでなく、「プロセス」も評価して、具体的に言葉にすることが大切です。
たとえば、依頼した書類の出来栄えをほめるとき、「データがわかりやすくて助かりました。さすがですね」などと、何をどう評価して、どう役立ったかまで伝えると、相手の次の行動へのモチベーションも高まるでしょう。
さらに、相手の努力や成果に対して、「感謝の気持ち」も一緒に伝えると効果的です。「自分は必要とされている」「認められている」と実感してもらうことができれば、積極性にもつながります。
相手がうれしくなり、やる気もアップする「ほめ方」ができるといいですね。
■引用したのはこちら
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子