良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第35回は、「できなくはないですけど」。
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■「できなくはないですけど」がよけいなひと言なのはなぜ?
上司に急な仕事が入ったときや人手が足りないときなど、「ちょっと手伝ってほしいんだけど」と頼まれることがありますよね。自分にも仕事があるので、二つ返事で引き受けるほど余裕がないかもしれません。けれども相手が困っている様子であれば、簡単には断れません。
こういう場合、余裕がないとつい口にしてしまうのは、「できなくはないですけど」といった後ろ向きな表現です。「仕方ないから、やってあげてもいいけど」といったニュアンスを強調する言い回しです。こう言われると相手は、気持ちよく仕事を頼めなくなり、ネガティブな気持ちになってしまいます。
■言いかえるならこれ!
「できなくはないですけど」はよけいなひと言。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「なんとかできると思います。お手伝いします」
が正しい!
引き受けるときは、相手をもやもやさせない、前向きな返事を心がけて。
■さらに上手に使うには?
上下関係を良好に保つためには、相手に気を遣わせない”前向きな言葉”で返事をしましょう。ポイントは、やる気のなさをあえて露呈しないこと。「大変」「イヤ」「苦手」といったマイナスな感情をプラスすると、相手のマイナス感情も刺激して「そんな言い方されたら気分が悪い」と悪循環になりがちです。
できないときはキッパリと、「いま手が離せない仕事があって厳しいです。申し訳ありません」と断った方が相手も納得しやすいのです。
引き受けると決まっている仕事であれば、「ぜひお手伝いさせてください!」と積極的に応じましょう。マイナス感情の応酬はトラブルの元ですから、ご注意を。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子