良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第65回は、「何でも聞いてください」。
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■「何でも聞いてください」がよけいなひと言なのはなぜ?
「何でも」というのは、あらゆる場面でよく使われている、便利な言葉です。相手を気遣うときも「何でも聞いてください」と言うと、何でも人の役に立とうとしている”いい人”のように見えます。
でも、「何でも」と言われると「何も」言えなくなる人もいます。まだそれほど親しくない人に言われると遠慮してしまうことも。お互い共有している物事があって、ある程度わかり合えていなければ、「何でも」の幅が広すぎて、何を聞けばいいのかわからなくなるんですね。
価値観や考え方は人それぞれ。よかれと思ってしたことでも、必ずしも相手が同じように感じでいるとは限りません。気づかいの極意は「相手が喜んでくれること」。自己満足になっていないか気をつけましょう。
■言いかえるならこれ!
相手を手助けしたいと思って「何でも聞いてください」と言うのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「何かお手伝いできることはありますか?」
が正しい!
漠然とした声かけよりも、具体的な答えを前提とした聞き方で。
■さらに上手に使うには?
「何かお手伝いできることはありますか?」と具体的な答えを前提とした聞き方をすれば、相手は思っていることが言いやすくなります。質問や疑問は、自分がわかっていることからしか生まれないので、相手の状況を把握する助けにもなります。
新入社員に「何でも聞いて」と声をかけたけれど、何も言ってこないから順調に仕事をしていると思ったら、何も手をつけていなかったというケースもよく聞きます。
相手の状況をまず聞いて、手伝って欲しいポイントが具体的にわかると、相手がより喜んでくれる気づかいやサポートができると思います。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子