良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第62回は、「私のこと、覚えてますか?」。

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■「私のこと、覚えてますか?」がNGなのはなぜ?
「覚えてますか?」という聞き方では、相手は「覚えているのかいないのか」を試されているようで、「覚えていないと失礼かも」と焦ってしまいます。
相手が「すみません、すぐに思い出せなくて」と正直に言える雰囲気ならいいですが、多くの場合は言葉をにごして返事に困るもの。
覚えていないのは、急に思い出せないだけのこともありますが、相手がその程度の印象しか持っていないからです。それなのに、自分が悪者になった気分にさせられるのは気持ちのいいものではありません。
■言いかえるならこれ!
久しぶりに再会した人に「私のこと、覚えてますか?」と言うのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「〇〇でお世話になった鈴木です」
が正しい!
自分から先に名乗った方が、相手への気遣いになります。
■同じように間違いやすい表現は?
久しぶりに会った人には、相手を試すような言い方はしないこと。挨拶するときも、「私はあのイベントでお世話になった鈴木です」と、自分から名乗るようにしましょう。
「覚えてますか?」とは少しニュアンスが異なりますが、「これ知ってる?」も相手に対して失礼な聞き方です。「私は知っているけど、あなたは知らないよね」と思っているのが前提で、言われたほうは、自分が関心のないことを知らないだけで責められているようで、ムッとするものです。
自分が知っている話を教えたいときは、「こういう面白い話があるの」と自分から話すように心がけましょう。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著

大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子