良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第58回は、「そういうファッションが好きなんですね」。
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■「そういうファッションが好きなんですね」と言うのがよけいなひと言なのはなぜ?
会話のなかで「そういうファッションが好きなんですね」と言う人がいます。この言葉で引っかかるのは、「そういう」がどういう意味なのか、わからない点です。
私の知人は、ゆったりとしたカジュアルなワンピースを着て出社したとき、「そういう服が好きなんですね」と突然言われて、「太ったと思われた?」「職場にふさわしくないのかな?」と気まずい思いをしたと話していました。
服装に限らず趣味の話でも言えることですが、「そういう」「そんな」といった指示語は、少しバカにしているようなニュアンスにとられて誤解を招くこともあるかもしれません。
■言いかえるならこれ!
相手の服装を話題にするとき「そういうファッションが好きなんですね」と言うのはよけいなひと言。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「すてきなファッションですね」
が正しい!
「そういう」は誤解を招きやすい。「良し悪し」で評価するのも上から目線になるので注意。
■さらに上手に使うには?
もしも、「おしゃれ」「カッコいい」といったプラスの意味であれば、「すてきなファッションですね」「憧れます」と好印象であることがはっきりわかる言葉で伝えましょう。マイナスの印象ならば、わざわざ相手に伝える必要はありません。
また、「そのバッグはいいですね」「その時計はいいですね」と相手の服装や持ち物を「単なる良し悪し」で評価するのも、上から目線の評価的態度。自分と比較したり、自慢したい気持ちがあるととくに口にしがちなので、要注意です。
ほめるときは、照れずに堂々と。そのほうが、“よいスパイラル”を生むと思います。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子