良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第54回は、「お言葉ですが、〇〇とおっしゃった件は間違っています」。
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■「お言葉ですが、〇〇とおっしゃった件は間違っています」と言うのがNGなのはなぜ?
お客様からクレームを受けたものの、原因はお客様自身にあった、というケースはよくある話。思い込みが激しい人や、一度言ったことを曲げない人が、間違ったことを主張してきたらどう対応すればいいでしょうか?
たとえば、買った商品の引き取り日をお客様が勘違いしているのに、こちらに非があると文句を言ってきた場合、「お言葉ですが、引き取る日を勘違いされています」と言いたくなるかもしれません。
けれども、接客では仮に相手が間違っていても、非難してはいけません。お客様を責めたりするのではなく、一緒に確認してくださいという態度で寄り添い、丁寧な対応を心がけてください。
自分は悪くないと思って、「そうおっしゃられても困ります」「引き取り日は明日とお伝えしました」と言いたくなっても、ぐっと我慢して思いとどまりましょう。
■言いかえるならこれ!
クレーム対応で、間違った主張をする相手に「お言葉ですが、〇〇とおっしゃった件は間違っています」を言うのはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「〇〇の件につきましては、こちらの書類に〇〇と記載がございます」
が正しい!
お客様が間違っているときは、事実だけを冷静に伝えて。
■さらに上手に使うには?
勘違いや行き違いなど、ちょっとした本人の確認不足がクレームの原因の場合は、丁寧で親切な対応をすることで、不満や不信感が信頼や安心に変わることがあります。
「お客様がおっしゃっている引き取り日については、こちらの書類に明日と記載がございます。ご確認をお願いいたします」というように、事実を冷静にお伝えしましょう。
それでも受け入れていただけない方には、「引き取り日は明日と承っておりますので、申し訳ございません」と端的にお願いしてください。とにかく必要最低限の情報を、冷静にお伝えすること。
また、「言った・言わない」のトラブルを避けるためにも、重要事項は必ず書き残すようにしましょう。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子