良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第53回は、「とりあえず」。
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■「とりあえず」を使うのがNGなのはなぜ?
取引先や顧客との会話で、ふだん身近な人に言っているような口調で、「とりあえずやっておきます」と返事をする人がいます。定型文のように何気なく使っていることも多いのではないでしょうか。
日常会話でよく使う「とりあえず」は、「さしあたって」という意味もありますが、一般的には「間に合わせとして」「あまり考えずに」「適当に」というニュアンスが強く、物事を軽く扱っているように感じさせます。
先方が、「この件はあなたに任せた」と思って頼んでいるのに、その場しのぎの返事をしてやっつけ仕事だと思われてしまうと、信頼を失いかねません。
■言いかえるならこれ!
取引先や顧客との会話で「とりあえずやっておきます」を言うのはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「取り急ぎ対応いたします」
が正しい!
「とりあえず」は間に合わせ言葉。「取り急ぎ」「まずは」に言いかえて。
■さらに上手に使うには?
お客様からの頼まれごとは、どんなことでも誠実に対応するのが基本です。「取り急ぎご依頼の件を進めます」「まずは依頼の件に取りかからせていただきます」と言えば、先方も安心するでしょう。
依頼に対してだけでなく、お客様との会話の中でも、「とりあえずこちらの資料をお持ちしました」「とりあえずその方向でお願いします」という使い方は、相手に失礼です。
この場合は「まずは」に言いかえるか、「とりあえず」を省くと、誠意を感じられる表現になります。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子