良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第49回は、「どちら様ですか?」。
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■「どちら様ですか?」とまず聞くのがNGなのはなぜ?
電話や受付の応対でお客様からご用件を伺ったときは、必ず「名前」を確認する必要があります。「〇〇さんはいますか?」と聞かれて他のスタッフを呼び出す際も、訪問客の名前がわからないと話が通じませんよね。
そのため、先に名前を名乗ってと言わんばかりに、「どちら様ですか?」と聞く人がいますが、「どちら様」は「あなたは誰?」と言われているようにも聞こえます。
「どちら」は方角や物に使うことが多い言葉なので、人に対しては失礼にあたることも。また、ときには「なんでこっちが先に名乗らなきゃいけないんだ!」と立腹されることもあるかもしれません。
■言いかえるならこれ!
電話や受付の応対で「どちら様ですか?」とまず聞くのはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「ご用件を承りました。お名前も伺ってよろしいでしょうか?」
が正しい!
先に用件を聞いたことを伝えてから、丁寧に名前をたずねるとスマート。
■さらに上手に使うには?
名前を名乗っていただきたいとお願いするのは、接客する側です。まずはいったん用件をお聞きしたうえで、「ご用件を承りました。お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」とおたずねすると、自然な応対で違和感がありません。
私も以前、研修先の会社を訪問した際に、受付で「何か御用ですか?」とぞんざいに言われてびっくりしたことがありました。その日の訪問客として研修担当者から受付に連絡がなかったため、何も関係のない部外者だと思われたのでしょう。たとえそうだとしても、訪問された方に不躾な態度を取ると、その会社のイメージが悪くなるのでご注意を。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子