良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第46回は、「誰とでも仲良くなれるタイプです」。
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■面接で「誰とでも仲良くなれるタイプです」がよけいなひと言なのはなぜ?
面接の場で、100パーセント言い切るような表現をする人は、いい印象を与えないことがあります。
「誰とでも仲良くなれるタイプです」もそのひとつ。誰とでも仲良くなることは現実的には難しいため、過信している印象を受けるのです。
コミュニケーション能力をアピールしようとして、「断定口調」の言い方をする人は多いのですが、世の中に絶対はありませんから「それは嘘でしょう」と思われて、逆効果になってしまいます。
面接で必要なのは、自分自身と向き合い、自分の実力や人間としての個性を、客観的かつ冷静にみる視点です。他人と差別化するために自分を大きく見せようとする人は、歓迎されないことを覚えておきましょう。
■言いかえるならこれ!
「誰とでも仲良くなれるタイプです」と面接で言うのはよけいなひと言。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「苦手な人とも折り合えるように努力できます」
が正しい!
断定的な言い方はせず、面接では素直な人が評価されると心に留めて。
■同じように間違いやすい表現は?
似たようなひと言に、「私は怒ったことが一度もありません」「絶対に遅刻はしません」などもあります。どちらも面接の場では、「思い込みが激しい」「融通がきかない人」という印象を与えてしまうことも。
「怒ったことがない」という人は、我慢し過ぎて自分の感情がわからなくなっている可能性があります。私がそういう人の話を聞くときは、「今まで自分を見ないようにがんばってこられたんですね。もう少し自分を大事にしてくださいね」と声をかけるようにしています。
企業の採用担当者が求めているのは、「長く一緒に働ける、信頼できる仲間」。面接でも職場でも、自分の正直な思いを素直に伝えられる人が好かれるのです。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子