良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第45回は、「今の仕事は、私がやりたいことと違うんです」。
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■「今の仕事は、私がやりたいことと違うんです」がよけいなひと言なのはなぜ?
企業でカウンセリングをしていると、「今の仕事は自分がやりたいことじゃない」「今の会社は自分が思っていたイメージと違う」という悩みをよく聞きます。
職種に対する不満、会社の雰囲気に対する違和感など、悩みの具体的な原因はさまざまです。しかし、自分が勝手に思い描いた理想を追い求めている限り、現実は常に不満が尽きないのではないかと感じることがあります。
どんな仕事も非難や否定をせず、前向きに仕事に取り組む人のことを、周りは応援したくなるもの。ですので、前向きな表現で自分の意志を伝えたほうが理解してもらいやすくなります。
■言いかえるならこれ!
「今の仕事は、私がやりたいことと違うんです」と言うのはよけいなひと言。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「今の仕事を覚えたら、次はこういう仕事をやりたいです」
が正しい!
やりたくなくても非難や否定はせず、前向きにやりたいことを伝える心がけを。
■さらに上手に使うには?
どんなことも無駄な仕事などありません。与えられた仕事は、好き嫌いも関係なく責任感を持ってやりきると、次のステージが見えてきます。
そして、「今の仕事で実績を積んだら、次はこういう仕事やりたいです」と、ステップアップしたい気持ちを伝えれば、聞いたほうもポジティブに受け止めることができます。
まだ実績を出していない人の不満や愚痴は、スルーされるだけ。けれども、仕事で一定の評価を得た人が「次のステップに行きたいです」「〇〇の仕事をやりたくて今までがんばりました」と言えば、上司や人事担当者が話を聞いてくれる確率はぐっと高まると思います。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子