良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第43回は、「この資料をご用意していただくかたちになります」。

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■「この資料をご用意していただくかたちになります」がNGなのはなぜ?
ビジネスシーンで何かを説明するとき、「〇〇していただくかたちになります」という言い方が口癖になっている人がいます。
特によく耳にするのは、「この資料をご用意していただくかたちになります」「こちらをご覧いただくかたちになります」「あちらへ移動していただくかたちになります」など。「〇〇していただく」という言い回しにすべて「かたちになります」をプラスしているのです。
「形(かたち)になる」は物体の形状に対する表現ですから、何かの形を表現するのでなければすべて誤用です。
■言いかえるならこれ!
「この資料をご用意していただくかたちになります」と言うのはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「この資料のご用意をお願いします」
が正しい!
「かたちになる」が口癖になっている人は正しく言いかえる習慣を心がけましょう。
■さらに上手に使うには?
WEBサイトやメールでよく見かけるのは、「返品の際の送料はお客様にご負担いただくかたちになります」「1週間お試しいただけてからご購入を決めていただくかたちになります」といった文章です。
これも「いただきます」と言い切れずに、「かたちになる」をプラスして丁寧な表現にしている感覚かと思いますが、使い方として間違っている表現ですので、やはり正しく言いかえたいところです。
接客業でも使っている人が多いこの言葉。もし無意識のうちに使っていたら、「していただきます」「お願いします」と言い切るように意識しましょう。
■引用したのはこちら

よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著

大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子