良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第37回は、「常識的に考えると〇〇だよね?」。
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■「常識的に考えると〇〇だよね?」がよけいなひと言なのはなぜ?
「常識的には」「一般的には」「普通は」「世間は」「みんな」の5つは”一般化”と言われる言葉。
「一般化」言葉は、自分の意見に自信がない時、「大多数の人が言っている」というニュアンスを強めて、相手を服従させようとする言い回しです。モラルハラスメントでも使われがちですが、じつは口癖になっている人も多いのです。
自分と価値観が違う相手に自分の考えをわかってもらいたくて、「常識的に考えると〇〇だよね?」と言っても、「常識って何?」と思われるだけで、納得してもらえません。
■言いかえるならこれ!
「常識的に考えると〇〇だよね?」はよけいなひと言。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「私はこう考えています」
が正しい!
主語を「私は」に置き換えて、自分の意見として伝えましょう。
■さらに上手に使うには?
私は長年、産業カウンセラーとして、コミュニケーション、ハラスメント、ストレスマネジメントに関する2万人以上の社会人の悩みに耳を傾けてきました。
そのなかで、私はよく、「一般化」言葉を主語にした文章を書いてもらって、そのあと主語をすべて「私」に変えるワークをしてもらいます。すると皆さん、「”普通は〇〇”、”常識的には〇〇”と書いた意見は、自分の考えでもあるんだ」と気がついて、驚いたり、気まずい雰囲気が漂ったりすることがあります。
抽象的な「一般化」言葉ではぐらかすよりも、「私はこう考えています」とはっきり伝えることでで、相手にあなたの意見として受け取ってもらうことができます。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子