良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第48回は、「それはよかったです」。
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■「それはよかったです」を立場が下の人以外に使うのがNGなのはなぜ?
よかれと思って使った言葉で地雷を踏んでしまうことがあります。たとえば「よい」という表現はプラス言葉ですが、他人に対して使うと相手をジャッジする”上から目線”の言葉になりがちです。
「よかったです」という声かけを、上司や先輩、先生が、「下の立場の人」に使うぶんには問題ありません。しかし、逆のケースで、「目上の方やお客様」に対して使うと、下の立場と見なされたことに相手が不快感を覚えるのです。
■言いかえるならこれ!
「それはよかったです」と立場が下の人以外に言うのはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「それは何よりでした」
「お役に立ててうれしいです」
が正しい!
立場が上の人に「よい・悪い」は使わない。「評価的態度」ではない表現を。
■さらに上手に使うには?
たとえば、お礼や報告などの連絡に対してプラス言葉で返事をしたいときは、相手が誰であれ「それは何よりでした」「お役に立ててうれしいです」という表現が適切です。
「それはよかったです」というよりも、より丁寧な表現ですので、こういう言い方を自然に使えると素敵ですね。
「よい・悪い」は、同僚に対して使う時も注意が必要です。立場が同等の人から自分がやったことを評価されると、マウンティングされたと思う人もいるからです。
働き方や生き方が多様化し、コミュニケーションツールも多肢にわたり、「とっさのひと言」の意味がより重視されているように感じます。
ひと言を大切にして、お互いを思いやり尊重し合って、少しでも気持ちの良いコミュニケーションができたら、良好な人間関係を築くことができると思います。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子