良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第52回は、「ここはうちが支払いますからご心配なく」。
VGstockstudio/shutterstock
■「ここはうちが支払いますからご心配なく」と言うのがよけいなひと言なのはなぜ?
取引先やお得意様と会食をする場合、接待する側の担当者や上司が、お店の手配から支払いまでを行うケースが多々あるかと思います。その折に、相手に支払いを気にさせないひと言をどう伝えるかは重要です。
「ここはうちが支払いますからご心配なく」とストレートに言うのはスマートさに欠けます。わざわざ「ご心配なく」と言われると、かえって気を遣ってしまいますし、「支払います」も直接的過ぎる表現です。
■言いかえるならこれ!
取引先との会食時に「ここはうちが支払いますからご心配なく」と言うのはよけいなひと言。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「ここは弊社にお任せください」
が正しい!
”恩着せがましい”伝え方は、相手に気を遣わせる。さりげないひと言を。
■さらに上手に使うには?
いちばんスマートなのは、飲食が終わる頃を見計らって中座し、さりげなく支払いを済ませてしまうこと。それができない場合は、「ここは弊社(私)にお任せください」とひと言だけ伝えればすむと思います。
また、「ここはなかなか予約がとれないお店なんですよ」といった、”恩着せがましい”言葉も避けましょう。「人気店ですが運よく予約がとれました」と言えば、相手も気持ちよく楽しめると思います。
接待は、お客様との親睦を深める大切な機会。「接待してあげている」という驕りがあると、言葉の端々にその気持ちが表れます。謙虚な姿勢を心がけてください。
■引用したのはこちら
よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑
サンマーク出版 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子