良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第66回は、「私のことはお気づかいなく」。
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■「私のことはお気づかいなく」がよけいなひと言なのはなぜ?
仕事でもプライベートでも、複数人で何かを決めることはよくあります。その場合、「私のことは気にしないでみなさんで決めてください」と、遠慮や謙遜のつもりで口にしたことはないでしょうか。
実は、「私のことお気づかいなく」という発言は、「寛大な私に注目して!」という自己主張と同じです。もっと言えばこのように「私」を主張するのは、「私のことをないがしろにしないでほしい」という気持ちの裏返しの場合も。
実際、こういう人の意見を聞かずに決めたことを報告すると、「なんでそういう話になったんですか? 私は反対です」と手のひらを返す人もいます。
「面倒な人」と思われたくなければ、誤解を招く表現は避けて、決定事項に応じる意思表示をしましょう。
■言いかえるならこれ!
複数人で何かを決めるとき「私のことはお気づかいなく」と言うのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「みなさんの意向に合わせます」
が正しい!
「私のことはいいから」は、自分をアピールしているのと同じなので注意。
■さらに上手に使うには?
決定権を他の人に委ねたいときは、「みなさんで決めたことに従います」「〇〇さんのほうで決めてもらって問題ありません」と、決定事項に応じる意思表示まできちんとしましょう。
もし希望があれば、「〇〇以外だったらできます」と希望を伝えましょう。そこまで明確な意思表示があれば、周りも話を進めることができます。
また、決まったことの報告を受けたら、「承知しました。話し合いありがとうございました」と御礼を言うのも礼儀ですのでお忘れなく。そのひと言が、好印象につながります。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子