良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第67回は、「この仕事をやってもらえますか?」。
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■「この仕事をやってもらえますか?」がよけいなひと言なのはなぜ?
「この仕事やってもらえますか?」では、相手は一方的に押しつけられて「命令された」という感じが強まります。
もちろん、業務命令で仕事や指示しなければならないこともあるでしょう。それでも、有無を言わさず威圧的にお願いするのと、なんとかお願いしたいと相手の意思を尊重する気持ちを示すのとでは差があります。
相手に気持ちよく引き受けてもらいたければ、自分から気持ちのいいコミュニケーションを心がけましょう。
■言いかえるならこれ!
仕事を依頼するとき「この仕事をやってもらえますか?」と言うのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「この仕事をお願いしたいです。難しい場合はご相談ください」
が正しい!
指示するときは、相手にプレッシャーを与えない依頼形を心がけて。
■さらに上手に使うには?
「この仕事をお願いしたいです。もし難しい場合はご相談ください」と、「命令」ではなく「依頼」の形で伝えるようにしましょう。相手の都合を聞く姿勢も大切です。「難しい場合は相談してください」と猶予を持たせると、検討しやすくなります。
もっとも避けるべき言い方は、できるかできないか、イエスかノーの返事を求める「クローズド・クエスチョン」。これは、相手を問い詰めているようなニュアンスになりがちです。
口頭でお願いするときは、表情やしぐさや態度など、言葉を補う「ノンバーバルコミュニケーション」によって、ある程度気持ちを伝えることができますが、特にメールやチャットでは避けたほうがトラブルを予防できると思います。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子