良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第68回は、「私の場合はこうでした」。
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■「私の場合はこうでした」がよけいなひと言なのはなぜ?
もし悩みなどを相談された場合、見栄を張ったり隠したりせず弱音を吐いて心を開いてくれているのは、いい関係ができている証拠です。
そこで「私の場合はこうでした」「私はもっと大変なことを経験した」「他の人はもっとひどい目に遭ったことがあるよ」などと自分や他人と比較されたらどんな気持ちになるでしょうか?
おそらく「この人は何でもすぐ自分と比較して、他人の気持ちを理解しようとしない」と思われてしまうでしょう。
■言いかえるならこれ!
相手から相談されたとき「私の場合はこうでした」と言うのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「(あなたは)そうだったんですね」
が正しい!
まずは相手の気持ちを受けとめて。自分と比較したりせず、サポート役に。
■さらに上手に使うには?
同じ悩みでも、感じ方や考え方は人それぞれ。まずは、相手の気持ちを「そうだったんですね」と受けとめてください。
それが事後であれば、「よくここまでがんばりましたね」「いろいろあったんですね」「よく対処できましたね」とプロセスに対して労いの言葉をかけるといいかもしれません。
もしちょうど取り掛かっている最中のことに対する相談の場合は、「今まで自分はこういう経験をしてきたから、何かヒントになることがあれば伝えますね」といった声かけが適切でしょう。
「自分がサポートできることがあれば、いつでもニーズに応える」という思いが伝われば、相手は安心してくれるはずです。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子