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2024年は選挙イヤー!世界各地の選挙を大江麻理子さんと深掘り!【働く30代のニュースゼミナール vol.43】

テレビ東京『WBS(ワールドビジネスサテライト)』の大江麻理子キャスターがセレクトした“働く30代女性が今知っておくべきニュースキーワード”を自身の視点から解説する連載。第43回目は「世界各地で実施される選挙」について大江さんと一緒に深掘りします。

今月のKeyword【世界各地で実施される選挙】

せかいかくちでじっしされるせんきょ▶2024年は世界の国や地域で重要な選挙が相次いで行われ、まさに選挙イヤー。1月の台湾総統選挙をはじめ、ロシア、韓国、インド、EUなどで選挙が実施され、11月には米大統領選挙が控えている。各地の選挙結果がウクライナ、中東情勢などにも影響を及ぼすと注目されている。

今月のKeyword【世界各地で実施される選挙】

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2024年1月

台湾総統選挙の結果、民進党の頼清徳氏が勝利。蔡英文総統の路線を継承
4年に1度の総統選挙にて、現政権で副総統を務める与党・民進党の頼清徳氏が当選。台湾で総統の直接選挙が始まって以来、同じ政党が初めて3期連続して政権を担う
2024年9月

岸田首相の自民党総裁としての任期が満了。総裁選の行方が注目される
9月末の総裁任期満了に伴って実施される自民党総裁選挙は、党所属国会議員と全国の党員・党友の票で争われる。再選か別のリーダーの誕生か動向が見守られている
2024年11月
アメリカ大統領選挙の本選挙が5日に実施。次期米大統領が決定する
民主党のバイデン政権が逆風にさらされるなか、共和党の候補者選びとトランプ前大統領の裁判が並行して進む異例の展開に。先行きが見通しにくい選挙戦となっている

「年収の壁によって人手不足が深刻に。政府がついに対応策を実施しました」大江さん

今年は選挙イヤー。世界がつながっていると実感する一年に

バイラ読者にアンケート

 (回答数66名 2023年12月21日〜27日に実施)

Q 2024年に世界各地で行われる選挙への関心度を教えてください。

Q 2024年に世界各地で行われる選挙への関心度を教えてください。

上から関心度の高かった順。米大統領選挙には「アメリカのリーダーが代わると世界情勢が変わると思う」との意見が。その他の選挙へも、ウクライナ情勢やアジア情勢への影響など、多様な関心が寄せられた

大江ʼs eyes

読者の方から寄せられた声のとおり、アメリカの動向が世界情勢を大きく左右します。ウクライナやガザの情勢、世界経済にとってアメリカの政治の安定は重要ですので、皆さんの関心の高さは当然だと思います。選挙結果による影響を様々なかたちで感じる一年になりそうです

Q 世界情勢のニュースや情報をどのメディアから取り入れることが多いですか?

テレビ 71%

Webサイト 59%

SNS 45%

ニュースアプリ 21%

新聞 15%

半数近い人が上位3つのメディアすべてに複数回答する結果に。上記のほかにはラジオや動画アプリ、雑誌の回答も。「情報の信頼性に不安がある」「フェイクニュースとの見分けがつかない」など情報の真偽を心配する声も

大江ʼs eyes

選挙イヤーの今年は、色々な思惑を含んだ情報が世界中にあふれる懸念があります。1月の台湾総統選挙に関して、過去1年間で8割以上の台湾市民がフェイクニュースに触れたという調査もありました。偽の情報に触れるリスクを常に意識し、一次情報を確認する心がけが大切だと思います

Q 世界各地の選挙結果が、自分の生活に影響を及ぼすと思いますか?

Q 世界各地の選挙結果が、自分の生活に影響を及ぼすと思いますか?

「とてもそう思う」「ややそう思う」を合わせると約8割。国や地域の関係性の変化による、物価や往来への影響を心配する声多数。「日本に否定的な候補者が選ばれると貿易などに影響しそう」「韓国に行く機会が多く外交関係が気になる」との意見も

大江ʼs eyes

米大統領選挙への立候補を目指しているトランプ前大統領は在任中、他国に関税をかける政策をとりました。関税が高くなれば、輸入するものの値段や企業業績に影響する可能性があります。また、日韓関係が改善傾向のなか交流に水を差す結果にならないか心配している方もいましたね

Q 日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増していると思いますか?

Q 日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増していると思いますか?

9割以上が「厳しさを増している思う」と回答。「台湾と中国の関係次第では、日本にも影響が及ぶのではと心配」「米大統領選挙の結果による日米関係の変化が不安」「戦争の長期化に慣れ始めている世界の空気が怖い」など懸念の声が寄せられた

大江ʼs eyes

日本は、ウクライナを侵攻しているロシアをはじめ中国、北朝鮮など様々な国に囲まれています。ウクライナ情勢やガザ情勢が深刻化するなか、東アジア情勢の安定に向けて、同じ価値観を持つ国や地域との連携、安全保障協力がぶれないための関係構築が日本政府に求められています

「2024年は世界的な選挙イヤー。結果が世界の問題を左右する。注目は、米大統領選挙」

「今年は世界中で重要な選挙が行われます。その数70以上と言われるなか、世界を見渡すと、ウクライナで戦闘が続き、ガザ情勢も悪化の一途をたどっています。また、各地で地震や洪水などの自然災害が多発し、日本でも能登地方で大きな地震がありました。世界各地が過酷な状況におかれている今、“選挙”に注目する理由やその影響について解説します」と大江さん。アンケートの関心度1位は、米大統領選挙。

「米大統領選挙の結果が世界に与える影響はとてつもなく大きく、皆さんの関心も高いですね。トランプ政権以降、一時期内向き傾向が強まったアメリカですが、今その役割が世界で再び大きくなっています。ロシアから侵攻を受けるウクライナは、アメリカの支援なくして継戦能力を維持することは難しいです。また、中東のガザ情勢でも、イスラエルに攻撃を抑えるよう働きかけ、紛争が拡大しないようアラブ諸国に呼びかける役割をアメリカが担っています。その状況でもしも米政権がガラッと変わり政策を転換するようなことになると、世界情勢も大きく左右されるでしょう」

民主党バイデン大統領と共和党トランプ前大統領の再対決という見方が有力ですか。

「まだまったく予断を許さない状況です。まずトランプ氏は、色々な裁判を現在抱えています。また、『大統領選に立候補する資格を認めない』とコロラド州やメーン州が判断し、それに対してトランプ陣営側が提訴をする動きも起きています。一方のバイデン大統領は今81歳。さらに4年間職務を全うできるのかと健康状態を不安視する声も根強いです。今後、両党の候補者選びについてのニュースを目にする機会が増えると思います」

選挙結果やその影響によって、民主主義が試されている状況であると大江さん。

「トランプ氏は、自分が大統領になれば24時間以内にウクライナでの戦争を終結できると宣言。ウクライナ支援を停止すると言っています。ですが、もしも戦争終結のためウクライナの領土の一部をロシアに譲るという話になってしまった場合、力による現状変更をアメリカが認めたということになります。それを見ていたほかの国が軍事侵攻に乗り出すおそれも出てきます。今年は法の支配にもとづく国際秩序を維持できるかの瀬戸際とも言えます。米国民の内向きな世論もあるなか、『ウクライナ支援は民主主義を守るために大切だ』と国民を説得できる人が大統領に選ばれるのか。今後の民主主義と専制主義のバランスを変えうるような状況だと思います」

ウクライナ侵攻を続けるロシアの大統領選挙にも、読者の高い関心が向けられた。

「プーチン大統領は、自ら憲法を改正し任期を4年から6年に延長、2期12年まで就任できるよう変更しました。有力な対立候補も不在で、結果が見えている選挙かもしれません。ただ、戦闘が長引き欧米による経済制裁が続くなか、選挙前後でウクライナへの戦略に変化があるか注視されています」

より身近なアジア地域の選挙への関心も。

「韓国では4月に国会議員選挙が行われます。尹大統領を支える少数与党がどれだけ議席を得られるか。尹政権から改善傾向にある日韓関係を維持できるかに影響します」

台湾では、1月に総統選挙が実施された。中国への向き合い方が争点のひとつとなった結果、与党・民進党の頼清徳氏が勝利した。

「頼氏は蔡英文総統の路線継承を訴えて当選しました。一方で、同時に行われた議会の選挙では民進党が過半数を維持できませんでした。現状維持を求める台湾の有権者が絶妙なバランス感覚を発揮したとも評されています。頼氏が総統に就任する5月以降、台湾を巡る世界の外交に要注目です」

今年は、世界がつながっていることを実感せざるを得ない年になると大江さん。

「世界各地の選挙結果が、自分たちの生活にどう影響するのかを目の当たりにする年に」大江さん

「世界各地の選挙結果が、自分たちの生活にどう影響するのかを目の当たりにする年に」

「世界情勢を継続してチェックしておくと、各地で起こったことが、回りまわって自分たちにどのような影響として現れるか見えてくると思います。たとえば、米大統領選挙がウクライナや中東の情勢にどんな影響を与えるのか。その結果、エネルギー価格などが変動する可能性もあります。そうすると輸入物価が高騰し、私たちの生活に影響することもあるかもしれません」

日本でも秋に自民党総裁選挙が実施される。

「総裁選は自民党内の選挙ですが、それまでに政権交代していなければ、総裁=日本の総理です。誰が選ばれるのか、そして衆議院の解散総選挙のゆくえはどうなるのか、日本にとっても今年は重要な選挙イヤーであるといえます。いつになるかまったく読めませんが、総選挙になったときのために政治動向をしっかり見ておくとよいと思います」

大江麻理子

大江麻理子


おおえ まりこ●テレビ東京報道局ニュースセンターキャスター。2001年入社。アナウンサーとして幅広い番組にて活躍後、’13年にニューヨーク支局に赴任。’14年春から『WBS(ワールドビジネスサテライト)』のメインキャスターを務める。

撮影/花村克彦 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2024年4月号掲載

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