良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第106回は、「それは苦手なので遠慮します」。
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■「それは苦手なので遠慮します」がよけいなひと言なのはなぜ?
会社の仲間や友人と食事や旅行に行ったりするとき、「私、辛いものが苦手だから」「私、飛行機がダメなんです」と、自分が苦手または不得意なものを”完全否定”したことはないでしょうか?
「苦手なものは早く伝えておいたほうが、後で迷惑をかけないから」と思って言う場合もあるかもしれません。しかし言われたほうは、「せっかく楽しい気分になっていたのに、わがままな人がいるとテンション下がるわ」と思うこともあるでしょう。
たとえ苦手だったとしても、真っ向から相手の提案を否定するのは失礼です。苦手なことを伝える場合は、相手に配慮した言い方を心がけましょう。
■言いかえるならこれ!
「それは苦手なので遠慮します」はよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「それは苦手なので、ほかのものだとありがたいです」
が正しい!
一方的な“苦手”よりプラスの言いかえで協調性をアピールして
■さらに上手に使うには?
もし苦手なことを伝えたいのであれば、「スパイスが苦手なので、辛くない料理もあるお店だと助かります」とか「申し訳ないけれど飛行機が苦手だから、現地で待ち合わせができるとありがたいです」というふうに、謙虚な姿勢でプラスのニュアンスを言いかえましょう。
ポイントは、自分がどんなに苦手だと思っていることでも、一方的に相手を否定したりしないこと。食べ物にアレルギーがある場合などは、行動をともにする人にはっきりと伝えるべきですが、趣味嗜好や生活習慣はひとそれぞれ。
自分の好き嫌いや価値観の押しつけは人間関係の悪化につながりますから、言い方には最新の注意を払いましょう。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子