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「的を得た意見」という表現は、間違った使い方! 代わりに何て言う?【働く大人の言いかえ術 vol.105】

良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第105回は、「的を得た意見」。

「的を得た意見」はNG

Jacob Lund/shutterstock

■慣用句の誤用に注意しましょう

ここぞというときに適切な慣用句や難しい慣用句をさらりと使いこなせると、相手に「知的な人」「語彙が豊富な人」といった印象を与えられます。

一方で、知的な雰囲気を醸し出そうとして、間違った使い方をしていると、格好をつけて失敗した残念な人に……。

「的を得た」のほかにも間違いやすい慣用句に、「念頭に入れる」や「公算が強い」、「間が持たない」などがあります。これらはすべて間違った使い方。あなたは正しい使い方がわかりますか?

■言いかえるならこれ!

「的を得た意見」は間違った慣用句の使い方! 
では正しい表現は何て言う?



↓↓↓



「的を射た意見


が正しい!
使うならば間違えて残念な空気が漂わないようにしましょう。

■ほかに似たような表現は?

「的を射る」は「うまく目標に当てること」、転じて「要点をつく(つかむ)こと」の意味です。「的を得る」は誤用ですので注意しましょう。

「念頭に入れる」は、「念頭に置く」が正しい表現です。「常に心がける」「忘れないようにする」といった意味で、もし「入れる」を用いる場合は、「頭に入れる」「念を入れる」とするのが正解です。

「公算が強い」も間違える人がいますが、正解は「公算が大きい」です。「公算」とは、あることが起きる確実性の度合いのこと。「強弱」や「高低」ではなく「大小」で表すのが一般的です。

「間が持たない」は「間が持てない」が正解。「間」は「ひと続きの時間」を指し、それが途切れてしまうという意味なので、「間が持たない」は本来は誤用です。

間違った慣用句の使い方をしないことは大前提ですが、あまり難しい言葉や言いまわしばかり使っていると堅い人と思われかねないので注意が必要です。何事もほどほどがいちばん。会話の中で自然にさらりと使うように心がけましょう。


■引用したのはこちら

好かれる人の言葉選びを身につける 大人の使え方練習帳

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宝島社 大野萌子著

大野萌子

大野萌子


公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。

取材・文/佐久間知子

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