良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第114回は、「その日は無理です」。

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■「その日は無理です」と言うのがよけいなひと言なのはなぜ?
上手に断ることが苦手な人が少なくありません。良好な人間関係を築くためには、できないことを上手に断ることも大切です。
ただ、「無理です」はストレートな断りの表現です。バッサリ断られると腹を立てる人や傷つく人もいるので、むやみやたらに「無理」という言葉は使わない方がよいでしょう。
また「忙しさ」を理由に断る人もいますが、それは「あなたのための時間はありません」と言っているのと同じで、失礼にあたります。理由を伝えるならば、相手が「それならば仕方がない」と理解できるものを。
断り方を間違えて、相手との関係性が悪くなってしまわないよう心がけましょう。
■言いかえるならこれ!
予定を合わせるときに「その日は無理です」と言うのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「あいにく都合がつきません」
が正しい!
受けたくても受けられない残念なニュアンスをにじませる表現で。
■さらに上手に使うには?
「あいにく」は、都合が悪くて相手の期待や要求に沿えない状況を表す言葉です。「あいにく都合がつきません」と言うと、お受けしたくても事情があり断らなければならない残念な思いをにじませることができます。
「断ると相手を拒絶しているようで不快な思いをさせてしまう」と思い込んでいる人が多いのですが、そんなことはありません。むしろ、断れなかったために相手に迷惑をかけて、関係性が悪くなるケースもあります。
上手に断るには、気遣いが感じられる言葉選びと、代案がある場合は提案すること。代案は、次につなげる気持ちの架け橋です。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著

大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子