良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第116回は、「結局、結果がすべてだけどね」。
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■残念な結果だった部下に「結局、結果がすべてだけどね」と言うのがNGなのはなぜ?
「結果」だけを評価して、プロセスを評価しない人は、「なんだかんだ言って、やっぱり結果がすべてだからね」と、短絡的な物の見方をしがちです。
言われたほうは、「どんなに努力しても、結果を出さなければ評価してもらえないのか……」とプレッシャーを感じてしまうもの。
もしも部下に期待したり要求したりしていることがあって、結果しか評価していないのであれば、良い人間関係を築くためにもその考え方を改めたほうがいいでしょう。
■言いかえるならこれ!
残念な結果だった部下に「結局、結果がすべてだけどね」と言うのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「最後までよく頑張りましたね」
が正しい!
結果ではなくプロセスを評価して
■さらに上手に使うには?
たとえば、職場の部下が、目標1000万円の売り上げに対して900万円未達に終わった場合、ひとりは、「目標を達成できなかった」とマイナス評価をする上司。もうひとりは、「残念だったけれど最後まで頑張ったね。プレゼン資料はよくできていたと思う」などとプロセスに対してプラス評価をする上司がいたとしましょう。
この2つのタイプのうち、本人のやる気を高めるのは間違いなく後者です。良好な人間関係は、相手のいいところや頑張ったプロセスを「認める」ところからはじまります。好かれる人は、その好循環を作り出しています。
自分の努力を自ら認められる人は、他人の努力にも目を向けることができ、プロセスも含めて評価できるようになります。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子