転職のプロである、リクルートエージェントの中村果代さん、パーソルキャリアの川嶋由美子さんが転職市場について解説。現在は、年齢より個人の人柄やコミュニケーションスキルが重視される傾向に。
リクルートエージェント首都圏 カスタマーサービス部 部長
中村果代さん
転職エージェント、カスタマーサービス部門の部長。100人超のメンバーとともに、よりよいライフ・キャリア構築のサービスを磨き続けている。
パーソルキャリア doda副編集長
川嶋由美子さん
転職希望者の支援に長年携わる。社内の人材育成と組織開発も担当し、現在はプロジェクトエージェント統括部 エグゼクティブマネジャーも兼任。
転職の「35歳限界説」は過去のもの! 年齢より「その人重視」に
かつては「30代半ばが限界」といわれていた転職。「今はまったくそんなことはありません」と中村さん。
「終身雇用が厳しい時代だからこそ、優秀な人材には年齢を問わずに来てもらいたいのが企業側の本音です。重視されるのも、人柄や、関わってきた仕事の内容。転職回数が多いことも、マイナスではなくなってきました。企業側が求めることに対し、どれだけのパフォーマンスを発揮できるのかを評価する流れのなかで、30代は転職のメイン層になっています」(中村さん)。
注目の転職ワードは「ポータブルスキル」
資格や経歴などわかりやすいもの以外で、その人の実力をはかる言葉として使われるのが「ポータブルスキル」。近年の転職では重要な要素に!
「上司や部下とのコミュニケーション能力や、社内調整を進めていける人間力などを指す言葉です。組織で働く上ではかなり大事な能力なので、企業側も採用の際に重視しています。転職=今までの成果が重要なのでは!?と思う方も多いですが、自身のポータブルスキルを客観視すると、意外な武器や強みがあるはずです」(中村さん)。
イラスト/そばまる 取材・原文/石井絵里 ※BAILA2023年10月号掲載