こんにちは、バイラーズの土井陽菜花です!
読書の秋ですね。
今回は読書部の"人生観が変わった1冊"のお題に合わせて、私の大好きなエッセイ、さくらももこさんの「もものかんづめ」をご紹介します!
熱弁してしまって少し長いですが、お付き合いいただけましたら幸いです♡
① 繰り返し読みたくなるエッセイ
【書籍情報】
タイトル: もものかんづめ
著者: さくらももこ
出版社: 株式会社 集英社
価格: 640 円 + 税
【あらすじ】
著者であるさくらももこさんの、学生時代からのおもしろエピソード万歳なエッセイ。
ちびまる子ちゃんでお馴染みの家族エピソードも含め、日常のきらめきが鮮やかに表現されている一冊です。
さくらももこさんといえば抱腹絶倒の爆笑エッセイ、爆笑エッセイといえばもものかんづめ...ともはや言うまでもなく有名ですよね。
きっと読んだことがある方もたくさんいらっしゃることと思います。
かく言う私は、中学生くらいの頃に図書館で借りて読んだのがたぶん最初です。
もものかんづめ、さるのこしかけ、たいのおかしら、、といった具合にさくらももこさんのエッセイシリーズは順調に読破してきました。
その中でも最初に読んだ「もものかんづめ」はやっぱり格別。
子供の頃の私はファンタジー大好きっ子で、本と言えば物語であり、空想の世界に飛んでいける非現実的なアイテムの認識でした。
エッセイ、すなわち随筆と言うジャンルは、清少納言、、、(?) くらいの認識で、正直よく分かっておらず 笑
小説を読むような頭で「もものかんづめ」に突入したので、天地がひっくり返るくらいの衝撃だったのを覚えています。
子供の頃には面白さが先行していましたが、大人になった今、違う気づきも読むたびに得られるような気がします。
単純明快な話が多いのですが、垣間見える日常のやり取りが、大人になって違う風景に見えたりするんですよね。
② もものかんづめの魅力
さくらももこさんの自画像はまるちゃん。
エッセイを読むたび、本当にまるちゃんはいるんだ...とジーンとします。
もものかんづめの素晴らしさを私なりに解剖してみるとこんな感じ...
1. ゲラゲラ笑える面白さは唯一無二
2. スッと脳に入る滑らかな日本語、でもちょっとクセがある
3. なんでもない日常の合間のきらめきの表現力
4. ゆる可愛いイラストの癒し
5. ちょっと毒がエッセンス
1.
こんなにゲラゲラ笑える本って今までありましたでしょうか。
電車で読んでは絶対 NG です。
2.
私がもものかんづめを読んでとにかく衝撃だったのは、さくらももこさんの言語化力の高さです。
自分の書く文章との圧倒的違い、そして日本語の美しさに気付かされたきっかけでした。
私の大好きな作品の1つに「ひとりずもう」がありますが、さくらももこさんが受験期の作文添削で「現代に舞い降りた清少納言のよう...」と褒められたエピソードがあります。
(実家に本を置いてきてしまったので文章はニュアンスで書いてます、すみません)
エッセイといえば清少納言、さくらももこさんは現代の清少納言...!!
やっぱりレジェンドの文章力なんだ...と納得しました。
伏線回収ですね。
3.
さくらももこさんのエッセイは、すごく読みやすいんですよね。
その読みやすさは簡単という事とは違っていて、難しい単語は使っていないけれど、文章が豊かでその情景を自然に頭の中に浮かべられるんです。
経験したことのない昭和が、匂いすら感じられそうな気がしてきます。
そしてひとつひとつのエピソードが 15 ページずつくらいでちょうど読みやすい。
言いたいことがギュッと詰まっているのに豊かなのは、現代短歌と似ている気がします。
BAILA で現代短歌を特集した記事もすごく面白かったので、もものかんづめが好きな人はぜひ見てみて下さい!
4.
ゆる可愛いイラストはちびまる子ちゃんでもお馴染みですが、もっともっとゆる〜くて癒されるイラストがちょこちょこ入っているので、それを探すのもお楽しみのひとつ。
5.
それから、さくらももこさんといえばちょっと入れ込まれる毒。
コンプライアンスとかなんとか厳しい世の中ですが、私はちょっと笑えるこの可愛い毒が大好き。
やりすぎない、ほどほどの匙加減で与えられる毒の虜になってしまいます。
③ 大好きなエピソードをちらっとご紹介
まるちゃんのおじいちゃんでお馴染み、友蔵のお話です。
不謹慎エピソードと言うことで、賛否両論あったという後話が巻末に載っています。
その後話も含めてさくらももこさんと言う人がよく分かる、大好きなお話なので必見です。
既にもものかんづめ読者の方、こちらのエピソードが好きな方は全員仲間ですね。
こちらのエピソードはまるちゃん感満載。
さくらももこさんの人間味溢れる魅力が詰まっていて大好きです。
無駄遣いと分かっていても、興味惹かれるくだらないものたちをついつい買ってしまうと言うお話。
結末は大体想像できるはずなのに、この先どうなっちゃうんだろう...まるちゃんだからこそ、意外と先が読めないワクワク感が不思議です。
ぜひ読んで体感してみてほしいです。
④ さいごに...
大好きなもものかんづめ、熱弁してしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます♡
読書って良いですよね。
会ったことがない人でも、実在しない人でも、本を読めばその人の考えをちょっと知ることができたり、知らない視点で世界を見ることが出来たりします。
リアルなコミュニティでお互いを知り合うことも素晴らしいですが、本があれば、極端かもしれませんが、たとえひとりぼっちでも豊かに生きられるような気すらしてきます。
人生を変えるような出会いだった本は沢山ありますが、「もものかんづめ」はきっと誰でも楽しめる本です。
まだ読んだことがない方、昔読んで内容を忘れてしまった方、是非この機会に読んでいただけたら嬉しいです!