お金についての損をしない情報がたっぷり。アラサー世代におすすめしたい漫画『カモのネギには毒がある　加茂教授の人間経済学講義』

変人天才経済学者が語る『お金の事情』
『金銭面で損をしない方法』を分かりやすく漫画で学べる

そこのアナタ、カモられてませんか──?
「カモリズム経済理論」が世界的に評価されている天才経済学者・加茂洋平。“フィールドワーク”と称して様々な姿に成りすます「変人」だが、経済弱者が搾取され、騙される社会で、自らの経済理論を実践し、ペテン強者たちに毒を喰らわせる──!!

『クロサギ』原案・夏原 武先生×『LIAR GAME』甲斐谷忍先生強力タッグ。
両作品のドキドキ感をそのまま、「自身の資産をカモられない方法」を学べる作品です。ただ、好き嫌いの分かれる漫画かと思います。

主人公・名取三咲は実家の旅館が詐欺ファンドに遭遇。まさかの事態に手を差し伸べたのは、彼女の通う大学の有名学者である『加茂洋平』。
彼は、「フィールドワーク」と称し二か月間野宿生活を送るなどのかなりの変人だが「カモリズム」という経済学が社会的に評価をされえている『天才経済学者』。彼に助けられ、三咲が『人間経済学』に興味を抱き、ゼミに入るところから全ての物語が始まります。

この作品は『節税・資産運用』などの観点ではなく、『詐欺にあわない方法』をしっかりと学ぶことができるものです。
「なんだ、詐欺になんて遭わないよ。もっと高度な資産運用テクを知りたい」と思われる方も多いかと思うのですが、この漫画のなかで使われる『カモられる』という表現のものは案外身近に潜んでいたりするので、もっと基礎的な部分から学んでおくことも大切なのかなと思わせられる作品です。

現代ではお金のことって学校や義務教育で教えてくれませんよね。なので社会人になるとびっくりするようなことが起こったりします。

例えば作中でも登場する『マルチ商法』。ハブ駅を頻繁に利用していると一度は声をかけられたことがあるのではないでしょうか。
私は飲み会で知り合った人の話をよくよく聞いてみるとマルチ商法だったことがあります。
興味本位でそのまま話を聞いていたのですが、その方は本気でそのビジネスで成功が出来る、尊敬する自分の上司の話を聞いていると絶対に不労所得を得ることが出来ると信じて疑わない姿勢でした。
澄んだ目で自分の未来について語る姿は、まだまだ若かったころの私にとっては衝撃的だったことを覚えています。
そういった方を否定するわけではありません。そして、成功した方が一定数いることは理解しています。

ただ、がむしゃらに頑張っても上層部の養分にしかならないことが多いこと、『どうしてそういう仕組みになっているのか』がこの物語ではしっかりと説明されています。
こういった『説明』がなされているものは少ないため、漫画でまとめられていることは、とても分かりやすく勉強になります。(一種のタブーのようなところがあるため、手を出しにくいところもありますよね)

なんせ加茂教授は『かなりの変人』。授業を休講にするなんていつものこと。天才過ぎてお金が溜まっていく一方なので、困ったことがあれば膨大なお金で解決。一筋縄ではいきません。
そんな予想のつかない行動をとる教授に振り回されながらも、人間経済学の基礎を学んでいく三咲の成長は必見。

加茂教授も王道を行く「ヒーロ」ではありません。クロサギのドラマや漫画を見られた方は心当たりがあるかもしれませんが、暗部からの勧善懲悪的な『ダークヒーロー』要素がかなり大きいです。

これもまた『人間経済学』なのでしょうか。