生理との向き合い方を、各界で活躍する女性にインタビューする連載企画。今回は、キャビンアテンダントのネタでブレイクしたCRAZY COCOさんに話を聞きました。
自分の幸せを優先し続けた結果、体調も気分もベストな状態になれた
元キャビンアテンダント(以下、CA)の経歴を生かしたネタがSNSでバズり、ブレイクしたCRAZY COCOさん。商社やコンサルなど様々な職業を経験してきたが、生理中に働くつらさはCA時代が断トツだったそう。
「新卒で商社に入社し、25歳のときに外資系航空会社へ転職しました。そもそも飛行機に長時間乗っているだけで体に負荷がかかるのですが、日系のCAに比べてフライト時間が1.5倍もあった。そのせいか生理の周期が乱れて、フライト中、急に生理が来て焦ることは日常茶飯事。その場しのぎのナプキンだけでは不安で、休憩時間もぐっすり眠れず、心身ともに疲弊しましたね」
5年ほど海外を拠点に勤務したあと、病気を患っていた母親をサポートするために退社して帰国。自身の健康に対する意識が、より深まったと言う。
「父は他界していて、母も昔から病気がち。若さと健康はイコールじゃないと知り、わりと早い段階から運動や食事による体調管理には気をつけていました。3年前に肉を絶ってペスカタリアンになってからは、胃腸や肌の調子がすこぶるよくて! 22歳で診断された子宮内膜症も、自然と治っていました」
健康を最優先するライフスタイルは、芸人になってからも継続。運動や睡眠時間をしっかり確保し、PMSや生理期間と重なる仕事は断ることも。
「芸人は働けば働くほど稼げる仕事だけれど、私はそれをすると体調にもパフォーマンスにも響いてしまうんです。ただでさえ近年はPMSの症状が悪化していて、生理期間も含めると、『絶好調!』と言えるのは月の半分ほどしかない。PMSや生理中は仕事量を抑えて、しっかり体を休ませることで、自分が頑張りたい場面でベストを出せるようになりました。ただし、レギュラーのお仕事はそうもいかないので……先日ラジオの現場で作家さんから『今日、しゃべれてないけど大丈夫?』と聞かれて、『PMSなんで!』と初めて宣言したんですよ。"たまにポンコツになるやつ"と片づけられてしまうのは、やっぱり悔しいから」
「環境や人は変えられなくても、自分の意識や言動は変えられる」と語るCOCOさん。これまでの人生で、今が「体調的にも気分的にもベスト」だと言う。
「自分が幸せかどうか。それを基準に選択してきた結果、今の環境にたどり着けた。自分の心と体の声にきちんと耳を傾けることの大切さを実感しています」
COCOさんのある日のスケジュール
10:30 起床
11:00 朝食、家事
14:00 ジムへ
17:00 帰宅、夕食
18:00 YouTubeの撮影
20:00 ラジオ収録のため、スタジオへ
21:00 打ち合わせ
22:00 ラジオ本番
24:00 ラジオ終了、雑談
3:00 帰宅
4:00 就寝
生理の日のマイルール
1. 食べたいものを好きなだけ食べる
2. アロマキャンドルをたいてリラックス
3. 無理のない程度に有酸素運動
「PMS中は食欲が激増。ハンバーガーにアイス、チョコの無限ループをYouTubeでも公開しています。爆食した翌日は、16時間のプチ断食で体をリセットしつつジムでウォーキング。汗をかくと生理のダルさが軽減されるし、頑張ってジムに行ったことで自己肯定感も上がるんです!」
生理の日のお気に入りアイテム
CA時代からずっとリピートしている大好きな香り!
「オーストラリアのデビッド・ジョーンズというデパートで買っているアロマキャンドル。ナイト・ビフォア・クリスマスという香りがお気に入りで、生理中、センシティブになりがちな心を落ち着かせてくれます」
お笑い芸人
CRAZY COCOさん
1986年9月6日生まれ、大阪府出身。タオルの専門商社を経て、外資系航空会社のCAに転職。その後、英語学習コンサルタントや総合商社を経て、2021年に芸人の道へ。
撮影/千葉タイチ イラスト/Kaho Iwaya〈opnner〉 取材・原文/中西彩乃 ※BAILA2023年11月号掲載