30代・40代の生理のお悩みや疑問に、人気産婦人科専門医がお答え! 今回は、「アフターピルを飲んだことで将来妊娠しづらくなる可能性」について聞きました。
アフターピルを飲むと将来妊娠しづらくなるって本当?
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30代・40代女性の、アフターピルが妊娠に与える影響に関する「リアルな生理・妊娠悩み&疑問」!
・「アフターピルを飲んだところ、2カ月くらい生理周期がガタガタ。ホルモンで無理やり妊娠を阻害してしまうことで、生理の周期が狂っているということ? 低用量ピルをやめたあとも、3カ月くらい生理周期が不安定になりました。避妊目的でピルを飲むと、将来妊娠しづらくなりそうで不安です」
・「30代後半。妊活をしていましたが、体調不良で薬を服用することになり、妊活をストップ。ですが、排卵日に避妊なしでセックスをしてしまい、慌ててアフターピルを飲みました。今までずっと基礎体温をはかったりしてきたのに、アフターピルのせいで基礎体温がガタガタになって、排卵日が分かりづらくなったら……つらすぎます(涙)」
医師がお答え!
アフターピルで妊娠しづらくなる可能性はゼロ
「アフターピルを飲むことで、将来妊娠しづらくなるということはないです。
質問者さんは、ピルで自然な生理の周期が整わなくなって、妊娠しづらくなることを心配されていますが、低用量ピルに限って言えば、低用量ピルを飲んでいた人が飲むのをやめたあとの妊娠率は、低用量ピルを飲んでいなかった人よりもむしろ高いと言われています。というのも、生理痛がひどい人の中には内膜症の方がいて、内膜症は不妊の原因になることがあるのですが、低用量ピルによりその進行を抑えられるためです。
アフターピルを飲んだあと、生理がなかなか整わなかったという質問者さんのケースも、アフターピルのせいで周期が整わなくなったのではなく、もともと生理不順の傾向がある方だった可能性が考えられます。そういった場合は、婦人科を受診するとよいでしょう。
アフターピルや低用量ピルに対して、自然に反した薬=体に悪いというイメージを持っている方もいますが、それは誤解。どちらも体に負担をかけて妊娠を阻害する薬ではないです。アフターピルも低用量ピルも卵巣を休ませる作用があり、むしろ体の負担を減らしてくれるともいえるのです。
アフターピルは緊急で飲む薬、低用量ピルは習慣的に飲む薬という認識をしっかり持ちつつ、自分に必要な薬を選択しましょう」
避妊を目的としたピル=将来の妊娠に悪影響というのは誤解のよう。
取材・文/櫻木えみ