【不妊治療あるある】自己注射や薬の飲み忘れ、採卵当日…“やりがちな失敗”は？【医師が回答！30代・40代の妊活悩み＆疑問】

30代・40代の不妊治療のお悩みや疑問に医師が回答！ 今回は採卵でやりがちな失敗例＆気をつけるポイントについて聞きました。

・「さまざまな検査を経て、ついに採卵周期に突入！　ベストを尽くしたいのですが、クリニックの説明を受けたらやることが多くて不安になってきています……。採卵周期の患者さんで多い失敗は？　どんなことに気をつけたらいいですか？」

・「注射、薬……クリニックで説明を受けたのですが、長すぎて理解できているのか心配に。先生の『間違えたら全部ムダになりますので！』という言葉だけが印象に残りました……。間違えないためのアドバイスが欲しい！」

「卵を育てるために薬や注射でホルモンを補充する採卵周期。薬の服用や自己注射を、クリニックの指示どおりにきちんとこなすことが大切です。

薬を飲み始めて4〜５日目くらいは忘れたり間違えたりしないようにと気をつけているので問題ないことが多いのですが、6日目くらいから少し気が緩んでくるのか、薬を飲み忘れてしまう方も。

『会社にお昼の薬を持ってくるのを忘れた。取りに帰ったほうがいいですか？』

『外出先で、薬を何錠飲んだらいいか分からなくなってしまった』

といった患者さんから、問い合わせのお電話がクリニックにかかってくることもありますね。

薬の服用にあたり、自己管理が難しそう……と感じる人は、

・会社用ポーチに数回分多めの薬を入れておく

・薬の飲み方や量が書かれた資料は、スマートフォンのカメラで撮影。外出先でも確認できるようにしておく

・スマートフォンの服薬管理アプリを利用して、服薬時間にリマインドを設定しておく

といった方法を試してはいかがでしょうか」

「『忘れないように気をつけよう！』という意識が強すぎる人こそがやりがちなミスもありますので、注意が必要です。

『採卵の2日前に打つ注射を、3日前に打ってしまった』

『夜に時間指定で打つべき注射を数時間早く打ってしまった』

などなど。採卵前で気持ちが高ぶりすぎて、つい早め早めに行動してしまうようです。

薬の飲み忘れ、注射の打ち忘れだけでなく、その真逆の、早めに薬を使ってしまうというケースもあるということを意識しておいてください。

薬の種類によっては間違えてもなんとかなるものもありますが、間違え方によってはその周期の治療が飛んでしまうこともあり得ますので、気をつけましょう」

「採卵日当日の注意点についてですが、麻酔をする病院では、ネイルやメイクをしないように指導されることがあります。理由は、ネイルは血中の酸素の状況確認の妨げになるから、メイクは顔色の確認ができなくなってしまうから。病院によってルールは違うので、事前にきちんと確認をしておきましょう。

排卵後、痛みなどの体調不良になることもあるので、採卵のあとに大事な予定を入れるのもオススメしません。本当は、当日はゆっくり休めるならそれがいちばんよいと思いますが、どうしても予定を入れたいという場合は、キャンセル可能な予定にしておくとよいでしょう」

せっかくの採卵周期、やり直しにならないよう気をつけて。

取材・文／櫻木えみ