大人の学び直し“リカレント教育”をもじって、松村沙友理さんの大人への一歩を記録する連載「松村沙友理の大人学」。アニメ好きで知られ、読書といえば漫画びいきの沙友理さん。多くの漫画コレクションを電子書籍に切り替え終えた今、これからは自宅の本棚にお気に入りを増やしていきたいそう。好きなものを増やす“学びの時間（リカレント）”のため、とある書店にやってきました。
今月のrecurrent【本と出会おう】
ワンピース￥43780（ネプラ）・ボールネックレス￥20900・バッグ￥9900（ともにエスロー）／エンケル シャツ￥17600（ビューティ＆ユース）・パンツ￥19800（ARMY TWILL）／ビューティ＆ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店 2本セットネックレス￥15400／フォーティーン ショールーム（イン ムード） ハートネックレス￥11000／マルティニーク ルコント ルミネ有楽町（Harpo） 靴￥22000／エイチ ビューティ＆ユース（アイランドスリッパ×エイチ ビューティ＆ユース）
仕事の合間に漫画を読んでいると、共演者の方から「おすすめの一冊」を教えていただくことがよくあります。漫画はしょっちゅう買うし、ジャケ買いでお気に入りを見つける打率も低くないけれど、“人の好きなものが好き”な私は、おすすめしてもらうのもすごく好き。自分のアンテナだけでは見つけられない作品や、普段なら選ばないジャンルと出会えるから。
今日はエッセイ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』の著者としても知られる花田菜々子さんの書店へ。最近面白かった漫画のことや、10代の頃ハマっていたライトノベルのことをお話ししたら書架から次々と本を取り出す花田さん！ それぞれ違うタイプの作品だけど、私に刺さる部分がありました。
小説はこれまであまり読んでこなかったけれど、好きな作家さんを見つけたい、と思っている私にすすめていただいたのが、川上未映子さんの『黄色い家』（中央公論新社）。ハードな環境で生きる人を描くストーリーや、社会的なテーマにつながる部分。現実と切り離せない、人間の悩みや苦しさは漫画でもよく手に取るテーマ。「分厚いな、読めるかな？」と思ったけれど「少しずつ、半年かけて読んだっていいし、勢いに乗れたら一気に読んでもいい」と言ってくださった花田さんに背中を押されました。
ラノベが好きだったら合いそう、と紹介してくださったのが『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』（済東鉄腸著 左右社）。独学やSNSでルーマニア語を学んだ方のノンフィクションが、ラノベのヒーローものっぽい文体で綴られているから、すっと入れそう。
自分の時間をどう使うか？ これを最近よく考えているんです。なんとなくで消費してしまう時間をもったいなく感じているから。たとえばアニメは見ること自体が楽しみだし、自分の発想の糧になるし、見た感想や考えたことを人と話せる。小説だって、もしかしたらアニメ以上に気軽に、ギアいらずで読み始められそうで、きっと糧になる。「途中で閉じてもいい」と言ってもらったのも、安心しました。
【沙友理のcurrent】やっぱり？ 早速、漫画からどんどん読んでいるそう
花田さんセレクトの漫画は“松村さんが手に取らなそう”をテーマに韓国の『大邱の夜、ソウルの夜』（ソン・アラム著 ころから）と、『今夜すきやきだよ』＆『今夜すきやきじゃないけど』（谷口菜津子著 新潮社）。読んでみたかったという『架空OL日記 1・2』（バカリズム著 小学館文庫）を加えた7冊と帰宅。読んだ感想は？「『今夜～』は人の暗い部分を扱いながらも絵柄が可愛いし、キャラクターが朗らかで重くない。みんなで餃子を包むシーンが素敵で私も一人で餃子を包みました」
蟹ブックス
昨秋高円寺に誕生した、今読みたい本と 出会える書店。店主は選書や書評に信頼を集める敏腕書店員・花田菜々子さん。
SHOP DATA
東京都杉並区高円寺南2-48-11 2F
営業時間：12時～20時 不定休
Instagram（@kanibooksclub）
撮影／nae. ヘア＆メイク／MINAMI スタイリスト／石田 綾 ※BAILA2023年7月号掲載
Baila Channel
