繊細な心理描写で読み手を魅了する漫画家・いくえみ綾先生。漫画雑誌『ココハナ』で連載中の『1日2回』は、39歳の園田れみが暮らす実家の隣に、同い年の幼馴染み・鍵谷季が出戻りしてくるところから始まり、過去を振り返りながら進んでいくストーリー。キャラクターの気持ちの機微で魅せる本作の裏側をインタビュー!
キャラクターのひと言から始まった物語
ー『1日2回』が生まれた経緯を教えてください。
読み切り作品の予定だったので、“何を描こうかな〜”と軽く考えてたら「出戻り?」ってキャラが言ったのでそのまま進めました。
ー登場人物の園田れみを描く上で大事にしたことはありますか?
読み切りのつもりだったので絵柄をちょっと変えようと、いつもより子供顔にして軽い感じにしました。いつもと変えてしまったので描きづらくなって段々元に戻ってます…。
ー登場人物の鍵谷季を描く上で大事にしたことはありますか?
とにかく読み切りだったので(笑)、何事もサラっと描いてしまおうと思っていましたが、なんか変な人にしてしまってます。
ー思い入れの強いシーンはありますか?
思い入れというわけではありませんが、読み切りだったので(しつこい)1回目はテンポも良くて上手くできたかなあと思ってます。
ーこの物語を描く上で、先生自身が大事にしていることを教えてください。
1回目の絵を忘れないようにしてますが忘れてることが多いです。大人顔すぎないようにしてますが、気を抜くとめっちゃ老けた人を描いてしまいます。
ーその結果、大変だったシーンはありますか?
過去を振り返っていく話なので、現在を子供顔にしたせいで描き分けが難しくなりました。
ー1話ごとの話はどのように考えているのでしょうか。
1話の終わりでこんな感情まで進む、となんとなく決めて始めますが上手くいかない時もあります。
ー登場人物たちの感情の機微はどのように考えているのですか?
進めたい話の方向に心を持っていけるよう、エピソードを考えます。
ー漫画制作のために意識的にインプットや、取材等はされていますか?
特に考えていませんが、仕事が終わると見たかった番組を見続けて読みたかった本を読み続けて好きなものたちに浸ります。
ー1979年のデビュー以来、漫画家としての生活を続ける中でいくえみ先生が思う“仕事を続ける”上で大事だと思うことは何ですか?
人それぞれだとは思いますが、私の場合はいつも気持ちがフラットでいる事かもしれません。
ー仕事中の気分転換にはどんなことをしていますか?
好きなものたちにちょびっと浸ります。
ー漫画を描く楽しさを感じる瞬間は?
良いのが描けたーと思えるときです。
ー先生自身は今も漫画を読みますか?
あまり読まなくなってしまいましたが、寝る前に好きな漫画を読んでる時は幸せです。
ー“自分の人生に欠かせない1冊”(漫画)を教えてください。
1冊って難しいですね……やはりここは王道で、くらもちふさこ先生『スターライト』。
私の子供の頃からの想いが全て詰まってます。読むといつでも帰れます。
いくえみ綾先生から直筆メッセージ!
貴重なお話をありがとうございました!
取材・文/上村祐子
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