マンガと猫が好きなライター・上村祐子がバイラ女子におすすめのマンガをピックアップ! 今回は、生きづらさをテーマに描くヒューマンドラマ『133cmの景色』をレビューします。
ナビゲーター
上村祐子
マンガを読み、猫を愛でて暮らすライター。マンガ雑誌『花とゆめ』の創刊50周年関連の企画にときめき。
“見た目”がもたらす生きづらさをテーマに描くヒューマンドラマ
©ひるのつき子/新潮社
主人公は身長133cmの華。ウェーブヘアの長い髪に丸い瞳。――彼女の年齢は25歳、社会人だ。病気で小学生時代のまま止まった身長以外は、25年分の成長がそこにはある。つまり仕事の能力だって人間関係への考え方だって、様々な経験を経て育っているということ。それでも社会、いや日常には、見た目・年齢・性別・職業……あまりにたくさんの“偏見”が満ちているのだ。
華を通し、自分の中にもある“らしさ”への考えに気づきチクリとしたりもする。……と書くと“学びを得る作品”の印象が先行しそうだが、本作の推しどころはそこだけじゃない。登場人物それぞれが自身のコンプレックスと向き合い、周囲と戦う様が、そして今後どんな関係が紡がれていくかの物語が単純に面白い。そんなふうに読めて学びも得られる時間って、めちゃくちゃ有意義だ。
『133cmの景色』
ひるのつき子著
新潮社 2巻 770円
2巻では華の同僚で、誰に対してもフラットな後輩・岩見との関係性にも変化が。さらに“身長が高いこと”にコンプレックスを持つ直美の恋も描かれる。
これも気になる
『ギャルがシルバニアファミリーを溺愛したら。#ギャルバニア』
岡野く仔著
講談社 3巻 1320円
いくつになっても好きなものは好きでいていいんです♡
シルバニアファミリーを溺愛するギャル・美守座とそんな彼女のことが可愛くて仕方ない優等生・菜々子。それぞれのシルバニア愛から広がっていく展開がどこもかしこも至高すぎる!
イラスト/chii yasui ※BAILA2024年7月号掲載