韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する連載コラムです。
今回は、激しい受験戦争がたびたび話題になる韓国の私教育をテーマに、人気No.1の塾講師と教育バトルに足を踏み入れたワーキングマザーの恋を描いた『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』のあらすじや見どころを紹介します。
1.『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』作品概要

『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』(2023)
全16話
出演:チョン・ドヨン、チョン・ギョンホ、ノ・ユンソほか
Netflixシリーズ「イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜」独占配信中
【あらすじ】
元ハンドボール韓国代表選手のナム・ヘンソン(チョン・ドヨン)は、姪のヘイ(ノ・ユンソ)と暮らしながら「国家代表惣菜店」という小さな惣菜店を営んでいる。学業について口出ししたことのないヘンソンだったが、巷で有名な数学の塾講師チェ・チヨルの講義を受けたいというヘイのために、熾烈な私教育の世界に飛び込む。一方、チヨルはその活躍の裏で摂食障害と睡眠障害に悩まされていた。そんなある日、ヘンソンの店の惣菜を食べたチヨルは、久しぶりに食事を楽しむことができたことに感動し、ヘンソンの店に通い始める。
2. 若手からベテランまでトップ俳優が豪華共演!
主役の2人を紹介!

本作は、カリスマ塾講師と小さな惣菜店を切り盛りする女性が織りなすラブコメディ。最悪の出会いから始まり、住む世界も性格も正反対な2人がぶつかり合いながらも惹かれていく……という展開は王道ですが、加熱する私教育バトルを背景にしているところが新鮮。お受験ドラマというと『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』『善意の競争』などに代表されるドロドロ系サスペンスを想像しがちですが、本作は 受験戦争に絡むサスペンスを含みながらも、不器用でピュアな大人の恋を軽快に描いています。

ヘンソン役のチョン・ドヨン
まず注目したいのが、豪華なキャスト陣。ヒロインであるヘンソンを演じるのは、第60回カンヌ国際映画祭('07)で主演女優賞を受賞したチョン・ドヨン。韓国国内でも数々の賞を受賞し、2025年も映画『リボルバー』で百想芸術大賞の映画部門の女性最優秀演技賞に輝くなど、その実力は折り紙つき。恋愛ドラマは『プラハの恋人』(’05)以来、17年ぶりとなりましたが、母親代わりとして姪ヘイを愛情たっぷりに育て上げ、明るくたくましく生きるヘンソンを好演。その温かくて前向きな姿から元気をもらい、私教育バトルに翻弄されながらも遅くやって来た恋に一歩踏み出すヘンソンを応援したくなります。

チヨル役のチョン・ギョンホ
そして、もう一人の主人公には『刑務所のルールブック』『労務士ノ・ムジン』『プロボノ』などに出演するチョン・ギョンホ。学習塾激戦区である江南・テチ洞で人気No.1を誇る数学の講師チヨルを演じています。
人生の一大イベントである大学受験をサポートする学習塾業界でトップに君臨し続けていられるのは、チヨルがそれだけストイックだから。ゆえに、生徒に対しては温かく接しますが、普段は繊細で気難しく、少々傲慢なところも。そのツンツンとした部分を嫌味なくチャーミングに見せるところが、さすがチョン・ギョンホ。『賢い医師生活』シリーズで演じたジュンワンもですが、厳しさの中に優しさを持っているツンデレキャラを演じさせたらピカイチ。本作のチヨルも見事なはまり役となっています。
注目の若手&実力派が集結

ヘイ役のノ・ユンソ
メインはヘンソンとチヨルですが、脇を固める俳優陣も見逃せません。ヘンソンの姪ヘイを演じるのは、デビュー作『私たちのブルース』で新人とは思えない自然な演技で脚光を集め、手話を使った演技に挑戦した映画『君の声を聴かせて』が日本でも好評を集めたノ・ユンソ。塾に通うことが家計の負担になってしまうのではないかと気にするヘイと、ヘイのやる気を全力で応援するヘンソン。叔母と姪ですが、実の親子のように互いを支えあう2人の絆に心が温かくなります。
一方で、ヘイが叔母であるヘンソンを「オンマ(お母さん)」と呼ぶのには切ない理由があり、「国家代表惣菜店」の人々が織りなす家族の物語も見どころです。

ヨンジュ役のイ・ボンリョン

ジェウ役のオ・ウィシク
そのファミリードラマの側面を彩るのが、惣菜店を手伝う選手時代からの親友ヨンジュと、自閉症スペクトラム症を持つヘンソンの弟ジェウ。『海街チャチャチャ』『いつかは賢いレジデント生活』など話題作に出演するイ・ボンリョン、『暴君のシェフ』でソンジェ役を好演したオ・ウィシクが演じ、安定力抜群の演技で物語を支えています。
そのほかにも、『恋のスケッチ~応答せよ1988~』でおなじみのキム・ソニョン、『となりのMr.パーフェクト』のチョン・ヨナムがヘイの同級生の母親役で出演。「この人が出てるならおもしろい」と思わせる“信じて見る”俳優たちが教育ママを熱演し、私教育バトルを通じてそれぞれの親子が抱える問題も描かれます。さらに、『暴君のシェフ』で大ブレイクしたイ・チェミンもヘイに思いを寄せる優等生役で出演! ストーリーはもちろんですが、名実ともにトップクラスの俳優陣たちの世代を超えた共演を見るだけでも価値ありまくりな作品なのです。
3.芸能人よりも有名!? 韓国の“イルタ”とは

そもそも「イルタ」ってなに? と思いますよね。「イルタ」とは「1等スター講師」のこと。韓国語で「1」は「イル」なので、略して「イルタ講師」と呼ばれています。
特に、チヨルのように有名学習塾が軒を連ねる江南区で名を馳せるイルタ講師たちは、芸能人以上の人気を誇ることも。劇中でチヨルは“1兆ウォン(約1000億円)を生み出す男”と言われていますが、韓国メディアの報道によると、実際にトップクラスのイルタ講師の年収は数百億ウォンに達することもあるそう。それだけ私教育に情熱を注ぐ家庭が多いという証でもあり、恋愛をはじめとするチヨルの一挙一動が芸能人級のスキャンダルになってしまうのです。

だからこそ、イルタ講師のチヨルと彼が受け持つ生徒の保護者の恋は前途多難。ヘンソンはヘイの母親で、夫は海外単身赴任中というていで通しているため、そりゃもう厄介なのです。チヨルも自身の立場を理解していて、ヘンソンへの気持ちを自覚して距離を取ったり……と、感情だけでは進めない大人の恋が展開されていきます。なかなかグレーな設定のラブラインではあるのですが、仕事一筋なチヨルも、若くして大黒柱になったヘンソンも誠実で真っすぐなところがかっこよく、どうか結ばれてほしいと願いながら視聴しました。
同時にチヨルが摂食障害に苦しむことになった背景や、激化していく教育ママたちのバトル、それによって引き起こされる事件などなど、ラブコメ、お受験ドラマ、ヒューマン、サスペンスが絡み合って展開していくので、最後まで目が離せません。チヨルとヘンソン、そしてヘイたちを応援しながらスキャンダルの行方を見届けてください。




























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