冬の完全栄養食といえば鍋! とはいっても、いつ、何を、誰と、どうなふうに食べるかで、選ぶ食材も、レシピの内容も大いに異なる! 現代のライフスタイルに合わせた最旬レシピを、料理家・栄養士の田村つぼみさんと文筆家のツレヅレハナコさんに教えていただきました。
1.簡単で美味しい! おひとりさま時短鍋レシピ4選
![田村つぼみさん](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/fc/fc737328-db0a-47c2-a5b0-2513809254a8.jpg)
身近な素材を、ムダなく、賢く料理に落とし込む達人。カフェやレストランのメニュー開発なども行う。
1.桜エビとにらの鹹豆漿(シェンドウジャン)風鍋
台湾の朝ごはんを簡単アレンジ。滋味豊富さはそのままに、うまみのもととなる干しエビの代わりに桜エビ、油条(ヨウティアォ)の代わりにパンを添えて。
![桜エビとにらの鹹豆漿(シェンドウジャン)風鍋](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/5a/5a7454b3-3a27-44a2-8765-0e2c6f3283d3.jpg)
マイルドな塩けに心酔。とろっと系豆乳スープ
●材料(1人分)
無調整豆乳……300㎖
桜エビ(乾燥)……大さじ2+適量
にら……1/2束+適量
ザーサイ……30g+適量
酢……大さじ1/2
塩・ラー油・フランスパン……各適量
●作り方
①にらは1/2束はざく切りにし、残りは1㎝の長さに切る。ザーサイは粗く刻む。
②鍋を弱火にかけたら桜エビを入れてからいりし、香りが立ったらにらとザーサイ30g、豆乳を入れてひと煮立ちさせ、少ししんなりとするまで煮る。
③火を止めたら酢をたらす。器に盛り、お好みで、桜エビ大さじ2やにら、ザーサイ、ラー油をトッピングし、塩で味をつける。少し冷めるとお豆腐のように固まってくるので、一口大に切ったパンをつけながら食べるのもよし。
2.クラムチャウダー風アーモンドミルク鍋
シーフードミックスでうまみとたんぱく質を手軽に注入!牛乳や豆乳よりビタミンや食物繊維が多いアーモンドミルクで。
![クラムチャウダー風アーモンドミルク鍋](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/68/68427fc7-9b1b-4beb-a672-be83fadc12bd.jpg)
まさかの包丁いらず&クセがないのにミルキー
●材料(1人分)
シーフードミックス……200g
アーモンドミルク……300㎖
小松菜……3株
シチューのルウ(市販)……1個(20g)
塩・こしょう……各適量
●作り方
①鍋にシーフードミックスとアーモンドミルクを入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせる。食べやすくちぎった小松菜を加え、しんなりするまで煮る。
②火を止めたらルウを加え、完全に溶かす。再度中火にかけ、ひと煮たちさせたら、塩・こしょうで味をととのえる。
3.サラダチキンのピリ辛トマト鍋
市販のサラダチキンとトマト缶で、立派な鍋に!野菜のビタミンが吸収されやすいよう、ツナ缶はオイル漬けを使って。
![市販のサラダチキンとトマト缶で、立派な鍋に!野菜のビタミンが吸収されやすいよう、ツナ缶はオイル漬けを使って。](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/67/67991355-f016-474a-be24-33ea75ec73a5.jpg)
煮込まずともうまみがあふれる、さっぱり系テイスト
●材料(1人分)
市販のサラダチキン……1/4切れ(30g)
豆苗……1袋
玉ねぎ……1/2個
(A)カットトマト缶……1缶(200g)
(A)ツナ缶(オイル漬け)……1缶(70g)
(A)鶏ガラスープの素(顆粒)……小さじ1
(A)しょうゆ……小さじ1
(A)塩……小さじ1/3
(A)ペッパーソース……少々
(A)水……200㎖
●作り方
①サラダチキンは薄くスライスする。豆苗は根の部分を取り除き、玉ねぎは薄切りにする。
②鍋に(A)を入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせる。ペッパーソースの量で辛さを調節して。豆苗を入れてしんなりしたら、サラダチキン、玉ねぎをのせる。
4.サバ缶ときのこの黒酢梅鍋
おなじみのサバ缶に、疲れを取る梅干しや黒酢を合わせて。きのこに含まれる不溶性食物繊維で体の中から美しく。
![おなじみのサバ缶に、疲れを取る梅干しや黒酢を合わせて。きのこに含まれる不溶性食物繊維で体の中から美しく。](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/a5/a5186faa-f046-4a92-9619-b2bc28772978.jpg)
心地よい酸味がクセになる! しみ入る美味しさ
●材料(1人分)
好みのきのこ(今回はえのきだけ、しめじ)……計200g
サバ缶……1缶(190g)
しょうゆ……大さじ1
水……1カップ
黒酢……大さじ1
梅干し……1個
大葉(あれば)……適量
●作り方
①きのこは石づきを取り除き、食べやすいサイズに切る。
②鍋に①とサバ缶、しょうゆ、水を入れて中火にかける。ひと煮立ちさせ、きのこに火が通ったら、黒酢と梅干しを入れる。器に盛り、刻んだ大葉を添える。
2.ツレヅレハナコさんの海外旅行気分に浸れる鍋レシピ4選
1.シュークルート風鍋
アルザス地方の伝統料理。塩漬けキャベツを乳酸発酵させるのが本式だけど、“時短酢漬け”で作るゆえに軽快な味わい!
![アルザス地方の伝統料理。塩漬けキャベツを乳酸発酵させるのが本式だけど、“時短酢漬け”で作るゆえに軽快な味わい!](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/cc/cc8a7111-5fc3-4439-8879-3a6e8c619466.jpg)
フランクフルトと相まってどこまでも食べられる無限キャベツ
●材料(4人分)
フランクフルト……4本
ベーコン……4枚
玉ねぎ……1/2個
赤パプリカ……1/2個
しめじ……1/2パック
にんにく……1かけ
バター……20g
水……1ℓ
[酢漬けキャベツ]
キャベツ……1/2個(約500g)
塩……小さじ2
酢……90㎖
砂糖……大さじ2
黒こしょう(粒)……大さじ1
ローリエ……2枚
ディジョンマスタード……適量
●作り方
①[酢漬けキャベツ]を作る。キャベツをせん切りにしたら塩をまぶし、耐熱容器に入れる。ラップをかけ、電子レンジ(600W)で3分加熱する。粗熱が取れたら水けをしぼり、ほかの材料を混ぜて15分以上おく。
②ベーコンは5㎝幅に、玉ねぎはくし形切り、赤パプリカは1㎝幅の細切り、しめじは小房に分ける。にんにくはつぶす。
③鍋にバターを入れて中火で熱し、にんにく、ベーコン、玉ねぎ、①のキャベツの順で炒める。水を加え、20分ほど煮る。しめじ、パプリカ、フランクフルトを加え、弱火で約5分煮たら、器に盛る。マスタードを添える。
2.カムジャタン
韓国発、じゃがいもとスペアリブが主役のピリ辛うま鍋。ホクホク、メルティ…いろんな表情のじゃがいもに出会って。
![韓国発、じゃがいもとスペアリブが主役のピリ辛うま鍋。ホクホク、メルティ…いろんな表情のじゃがいもに出会って。](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/96/96edff12-ef44-4593-9c07-cbb535bbf05d.jpg)
骨つき豚のうまみがじゃがいもやスープにしみ渡る
●材料(4人分)
豚のスペアリブ……500g
じゃがいも……4個
ねぎ……1/2本
にら……1/2束
水……4カップ
白すりごま……大さじ3
[合わせ調味料]
すりおろしにんにく……1かけ分
味噌……大さじ3
コチュジャン……大さじ3
酒……大さじ3
一味唐辛子……小さじ1/2
●作り方
①鍋に湯(分量外/肉がかぶるくらいが目安)を沸かし、スペアリブを入れて表面の色が変わるまでゆで、ザルに上げる。[合わせ調味料]の材料を混ぜておく。じゃがいもは皮をむき、大きければ半分に切る。ねぎは1㎝幅の斜め薄切り、にらは4㎝の長さに切る。
②鍋にスペアリブ、水、合わせ調味料、じゃがいもを入れ、ふたをして40分煮る。途中、じゃがいもが煮くずれそうなら器にとる。ねぎを加えて3分ほど煮て、にらをのせ、白すりごまをかける。
3.台湾風 豚白菜鍋
台湾でおなじみ、白菜と豚肉を組み合わせた発酵鍋をアレンジ。つけダレとのマリアージュで、めくるめく味の広がりが楽しめる!
![豚肉や白菜、春雨がからんで、最上級のすっぱウマイ](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/15/15d0d447-8f3a-4cb2-8428-0bc21363a6bd.jpg)
豚肉や白菜、春雨がからんで、最上級のすっぱウマイ
●材料(4人分)
豚バラ薄切り肉……600g
春雨(乾燥)……60g
干ししいたけ……8枚
豆板醤(トウバンジャン)……適量
万能ねぎ……適量
[白菜漬け]
白菜……1/4株(約800g)
塩……大さじ1
酢……1/4カップ
[スープ]
しょうがの薄切り・にんにくの薄切り……各1かけ分
赤唐辛子……2本
干ししいたけのもどし汁……2カップ
水……1ℓ
[つけダレ]
にんにくのすりおろし……1かけ分
白練りごま……大さじ3
黒酢……大さじ2
砂糖……小さじ2
ごま油……小さじ1
●作り方
①[白菜漬け]を作る。白菜はせん切りにし、塩と酢をまぶして約20分おく。
②豚肉は半分の長さに切る。春雨は水で戻し、ざく切りにする。干ししいたけは水(分量外2カップ)でもどしたら水けをしぼり、薄切りにする(もどし汁はスープに使用)。[つけダレ]の材料を合わせる。
③鍋にスープの材料と干ししいたけ、春雨、水けをかるくしぼった①の白菜を入れて沸かし、約15分煮たら豚肉を広げて入れる。肉の色が変わったら器にとり、つけダレ、豆板醤、刻んだ万能ねぎを加えていただく。
4.エスニック海鮮ハーブ寄せ鍋
肉や魚介のエキスが、ナンプラーベースのスープと相性200%。特製ダレ、ハーブや柑橘類…味変で爽やかな異国の味に出会って。
![肉や魚介のエキスが、ナンプラーベースのスープと相性200%。特製ダレ、ハーブや柑橘類…味変で爽やかな異国の味に出会って。 台肉や魚介のエキスが、ナンプラーベースのスープと相性200%。特製ダレ、ハーブや柑橘類…味変で爽やかな異国の味に出会って。 台](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/51/510409dd-50af-496f-98d2-7d59dc627614.jpg)
ここはタイ?それともベトナム?多彩な食感、味、香りが入り交じる
●材料(4人分)
鶏もも肉……200g
エビ(殻つき)……8尾
生ダラ(切り身)……2切れ
酒……大さじ1
アサリ(殻つき)……250g
厚揚げ……1枚
もやし……1袋
エリンギ……1本
豆苗……1/2パック
フォー…100g
[スープ]
しょうがの薄切り……1かけ分
香菜(シャンツアイ)の根……1パック分
赤唐辛子……3本
ナンプラー……大さじ2
鶏ガラスープの素(顆粒)……大さじ2
こしょう……少々
水……2ℓ
[タレ]
オイスターソース……大さじ2
黒酢……大さじ2
豆板醤……小さじ1
砂糖……小さじ1
しょうがのすりおろし……1/2かけ分
香菜の茎のみじん切り……4本分
ミント・香菜・ライム・レモン……各適量
●作り方
①鶏肉は一口大に切る。エビは背わたを取り、30秒ほどゆでて殻をむく。タラは3等分に切り、酒をまぶす。アサリは砂抜きする。厚揚げは縦半分に切り、1㎝の厚さに切る。エリンギは3等分に切ってから薄切りにする。豆苗は根の部分を切り、半分の長さに切る。フォーはぬるま湯(分量外)に約5分浸してもどす。
②鍋にスープの材料をすべて入れ、約3分煮る。タレの材料を合わせる。
③鍋に具材を適宜加え、お好みでミントや香菜を加えたり、くし形に切ったライムやレモンを搾る。味を変えたい際は、タレを加え、混ぜていただく。具材が減ってきたらフォーを加えて約1分煮る。
撮影/伊藤徹也 スタイリスト/中里真理子 調理/田村つぼみ 取材・原文/広沢幸乃 ※BAILA2021年12月号掲載