【30代のセックスレス事情】リアルな原因やきっかけは？ セックスレスになりやすい夫婦の特徴を専門家がナビ

30～39歳の女性にアンケートを実施。回答者262人の現在の婚姻・交際ステータスは、7割強が既婚者、2割弱が未婚者という割合に。

週に1回を理想とする人が最も多く、複数回を理想とする人を含めると、週に1回以上を希望する人は62％という結果。「1年〜数年に1回」と「全くしない」の回答数を合わせても6％にとどまり、9割強の人は、定期的にセックスすることを理想としていることが明らかになった。

セックスレスの基準は1カ月〜3カ月と考える人がマジョリティで7割弱。「週に1回」と「週に複数回」が6割強を占めた「理想的なセックスの回数」と比べて、回答の割合にバラツキがあることから、理想と実際の回数に差があることが窺える。

9割強が定期的なセックスを理想としていたにもかかわらず、5割強は「セックスレスだと思う」と回答。“したい”という気持ちはありながらも、“できない”もしくは“しない”のは、なぜなのだろうか。

既婚者には現在のパートナーとの交際期間を含めて回答してもらったところ、「4年」または「4年以上」が最多で約半数を占めた。しかし「半年前後」から「1年」でセックスレスになった人も2割強と、一定層いることが判明！

「今も昔もセックスレスの悩みを抱えてカウンセリングにいらっしゃるご夫婦は多いのですが、ここ最近、とくに20代〜30代の若い世代が急増しています。結婚して、わずか1、2年のご夫婦も少なくありません。セックスレスを解消する目的は“子作りをしたいから”という方が多いですね。また、今回の企画のようにセックスレスを扱うメディアが増え、問題意識を持つキッカケにもなっているのでしょう」（北村さん）

自分もしくはパートナーに原因があると回答した人は44％いたにもかかわらず、94%がパートナーとの関係はよいと回答。定期的なセックスを理想とする人が大多数だったことからも、セックスレスへの不満が夫婦仲にネガティブな影響を与えているのでは？という予想を覆す結果となった。

「カウンセリングにいらっしゃるセックスレスのご夫婦は、夫婦仲の悪化とともに性生活がなくなっていった、というケースがほとんど。そのため、『仲が良い』と回答した人の多さに驚きました。

どちらもセックスの必要性を感じておらず、良い関係を築けているのであれば、無理にセックスをする必要はありません。ただし、どちらかがレス状態を不満と感じているのならば、仲の良さを保てるかどうかには注意したほうがいいかもしれませんね」（北村さん）

セックスレスになったきっかけは、「カウンセリングの現場で挙がる理由と一致している」と北村さん。中でも「多忙さ」や「妊娠・出産による意識変化」は日本特有のものであり、セックスレスの人口が多い原因だと指摘する。

「毎日クタクタになるまで働いていれば、セックスする気になれなくて当然。しっかり休みを取れる社会にならないと、セックスレスのカップルは増え続けるでしょう。

また、アメリカを筆頭とする欧米諸国では、子どものために何かを我慢する、という感覚があまりないんです。だから子どもをベビーシッターに預けてデートに行くし、夫婦仲が悪ければ、仮面夫婦でいるより離婚する。そのため離婚率は高い一方、セックスレスの割合は少ないんですよ。実際、仕事でアメリカに赴任し、現地のムードに影響されてセックスレスが解消した夫婦もたくさんいます」（北村さん）

セックスレスについて話し合うと回答した人は3割。前の質問で、パートナーと仲がよいと回答した割合の高さを考えると、若干、少なく感じるが……？

「関係が良好だからこそ、相手を傷つけたくない気持ちは強くなりますよね。関係が崩れるきっかけになってしまうことを恐れて、問題提起できない人もいるのではないでしょうか。

ちなみに夫婦仲が悪くなるきっかけの一つは、希薄なコミュニケーション。日常の要件を伝え合うだけで、きちんと会話をできていない夫婦はとても多いんです。セックスレスについても、どちらかのストレスが肥大して爆発してしまう前に、話し合うことをおすすめします」（北村さん）

セルフプレジャーで性欲を満たしている人が半数にのぼった。セックスフレンドがいる人も一定数いて、パートナーとのセックス以外で解消している人の多さが浮き彫りに。

「夫婦のどちらかが極端に性欲旺盛であるなど、性欲に差があると、冷静な話し合いをするのは困難。満たされていない側が一方的に怒りをぶつけてしまい、性欲がない側は相手の気持ちを理解できない。解決策が見つけにくく、関係が悪化しがちです。夫婦間の話し合いに失敗してきた人や、そもそも不満を言えない人は、カウンセリングなどで第三者を介して話し合うことをおすすめします」（北村さん）

性欲は解消できていても、「やっぱりパートナーとセックスしたい！」と思っている人は6割強。セックスレスを解決するためには、どうしたら良いのだろうか？ 北村さんにアドバイスをもらった。

「まず見直してほしいのが、パートナーとのコミュニケーション。食後にコーヒーを飲みながら、世間話をするだけでも良いので、会話を習慣づけて。最終的には、性や体の悩みをフラットに話し合える関係を目指してください。

その次は、生活環境の見直し。寝室がごちゃついていたり、子どもと川の字で寝ていたりすると、セックスするムードになりにくいんですよね。

残念ながら、一度セックスレスになってしまうと、一朝一夕には戻りません。したくないものを、したいとすぐに思うことはやはり無理なことですので……時間をかけて少しずつ改善していく覚悟が必要です。

最も重要なのは、セックスレスを解決したいという気持ち。そもそもパートナーを大切に想い、問題を解決しようとしているのは、とても良いパートナーシップを築けている証拠。前向きに捉えて、諦めないでほしいです！」（北村さん）