【大人のセックスもやもや相談室〈まとめ〉】正解はひとつじゃない。悩める30代集合！

性交痛にセックスレス…人には話しにくい、リアルな声に寄りそう「大人のセックスもやもや相談室」。様々な分野で活躍するエキスパートたちが、体と心それぞれの視点からバイラ読者のお悩みに回答。あらゆるシチュエーションや関係に応用できるアドバイスを参考に、セックスとの向き合い方をアップデートしよう。

まずはバイラ読者92人にアンケート

ほぼ毎日…2人
2〜3日に1回程度…2人
2週間に１回程度…13人
月に１回程度…14人
2〜3カ月に1回程度…20人
半年に１回程度…13人
年に１回程度…5人
ここ数年してない…20人
一度もしたことがない…3人

1年に1回程度、またそれよりも少ない人の割合は全体の約30％。セックスにネガティブな姿勢の人の割合に近い結果に

【2023年3月14日〜3月22日、BAILAメルマガ会員にアンケート。29〜42歳の92人が回答】

心を開いて、欲望のまま動く！　正しさよりも気持ちよさに従って

「私もセックスを学んだことは一度もないし、経験を重ねた今も、これがセックスだ！という正解なんてないと思っています。外からの情報に左右されるより、感じるままに体が勝手に動いて……結局、欲望のままに行うセックスがいちばん、気持ちいいんじゃないかな。“こうしなきゃいけない”や“これはしちゃダメ”というルールがなければ自由に楽しめて、可能性もどんどん広がるし！　欲望に正直になるためには、自分の心を開くことが大切。経験上、私がセックスに没頭していると、相手も心を開きやすくなるんです。頭で考えずに、体と体のコミュニケーションをとる感覚で、パートナーとタガを外してみてほしいです」

自分の不安を正直に打ち明けつつパートナーの感想を聞いてみよう

「この方がセックスを楽しめない原因のひとつとして、パートナーがどう感じているのか、わからないことへの不安があると感じました。それを解消するためには、やはりコミュニケーションをとってみるしかない。いろんな考えが混ざり合って新しい考えが生まれるように、二人に合ったセックスのあり方が見つかるはずです。もちろんセックスについて話し合うことが苦手な人もいますし、あくまで相談というかたちで、相手を否定しないことも大事。ただ、話し合いにすら応じてくれない場合は、そこに根本の原因があるのかもしれません」

挿入時の痛みには潤滑ジェルを。リラックスすることも効果的です

「いわゆる“濡れる”際に体内から出る潤滑液の量は人によって異なり、そのときのホルモンや精神の状態でも変化します。検査することもできますが、診察時は性的な興奮状態にないため、原因がわかりにくいんです。この方のように、挿入時に痛みを感じる場合は、潤滑ジェルを使ってみるのがおすすめ。摩擦による痛みがやわらぐことで体がリラックスすると、快感を得やすくなります。気持ちいいセックスを重ねるにつれて、自然と潤滑量が増えることも！　また、体が冷えて交感神経が優位になっていると濡れにくいので、体を温めてリラックス効果を高めることも効果的です。そして痛みを感じた際は、必ずパートナーに伝えることが大切。動きや体位を変えれば痛みが軽減する可能性もあるので、決して我慢しないでくださいね」

性交痛軽減アイテムを使えば挿入の深さも調整できます

「海外の調査によると、性交痛を感じたことがある女性は75%にも上るそうです。摩擦のほかに、挿入が深すぎることも性交痛が生ずる原因のひとつ。膣の奥に痛みを感じる人は、男性器の根元に装着する『オーナット』を使って、挿入の深さを調整してみてください」

性欲も愛情表現も十人十色。変化することもあるので、まずはヒアリングしてみましょう

「“性的な欲求を向けられること=あなたの価値”ではありません。ただ、その状況で苦しいあなたの気持ちも大切です。もしかしたら原因の中には、コミュニケーション不足もあるかも。パートナーシップを築いていく上では、必ずしもセックスが必要なわけではありません。性欲も愛情表現も十人十色。あなたや彼の、セックスまたは性欲のかたちが変わってくる場合もあります。そこをお互いにヒアリングすることが、次のステップへのカギとなります。急にセックスの話題を出すのはハードルが高ければ、コンテンツを通じて提起するのがおすすめ。個人的に好きなのは、佐伯ポインティさんの動画。プッと笑える動画をきっかけに、過去のセックスの思い出などを切り出してみると、お互いに警戒せずに話せるかも」

推測地獄から抜け出すためには自分から発言＆行動するのみ！

「仕事が忙しいのかもしれないし、刺激よりも安定感を求めたくなったのかもしれない。様々な推測ができますが、本当の理由は本人にしかわかりません。相談者さんは、単にセックスがしたいのではなく、あったものがなくなった状態に不安を感じているのかも。“セックスは男性から求められるもの”という価値観では最終的なアクションがすべて相手任せになってしまうので、やはり話し合うことは必要だと思います。自分はどんな関係を求めていて、彼は何を考えているのか。それらをクリアにすれば、具体的な選択肢が見つかるはずです」

プレッシャーを与えない程度にあの手この手で誘ってみては!?

「二人の性欲に埋められない差があるのならば、女性用風俗に頼るのはどうでしょう？　彼としては、それは嫌なのかな？　なんとなく、彼はプレッシャーを感じているんじゃないかなと思って。自分はしたくないけど相手はしたい、しかも誘ってほしいとまで言われたら、なおさらつらくなってしまいそう。そんな状況で、一対一でひざを突き合わせて話すと、彼はますます窮地に立たされちゃうよね。私だったら誘われることはいったんあきらめて、あの手この手で誘ってみるかも。コスプレをしたり、SMっぽい演出をしてみたり。そこまで振り切ってしまえば、相手も笑いながら断れるはず。いくら断ってもいいし、いつやってもいいよ！というスタンスでかまえていると、彼の心境に変化が表れるかもしれません」

相手は誘うのが苦手なのかも。セックスの希望は具体的に伝えて

「パートナーは、誘うのが苦手なのかも。話し合った上で相手の真意が明らかになれば、割り切って自分の好きなタイミングで誘ったり、プレイを提案できますよね。セックスは人によって嗜好や感じ方が異なるため、より具体的に伝えられるようになるのが理想的。センサーを搭載したバイブレーター『ライオネス』は、自分が気持ちよくなるタイミングやコンディションをデータ化してくれて、パートナーと共有しやすくなるし、誘うきっかけにもなりますよ！」

子づくりは素晴らしい行為！ 後ろめたく思わないでください

「産後は女性ホルモンが激減するため、性欲衰退はごく自然な現象です。それに慣れない育児や睡眠不足によるストレスが重なれば、濡れにくくなるのも仕方のないこと。また、出産時の傷で性交痛を感じやすくなったり、胸への愛撫が母乳をあげる行為と重なって嫌悪感を抱いてしまったりと、産後は心身ともに大きく変化します。それらを前提として、まず、“子づくりのためのセックス”を後ろめたく思わないでください。セックスは必ずしも、楽しまなければいけないものでもありませんし、子づくりは素晴らしい行為ですから。そして、出産によって変化した体は、時間をかけて徐々にもとに戻ります。旦那さんとのコミュニケーションを欠かさずに、たっぷりの睡眠とバランスのいい食事による健やかな生活を心がけながら、気長に待ってみてください」

心地よいスキンシップを続けていればいけるかも！という日が訪れるはず

「旦那さんを好きで、スキンシップを心地いいと思える関係は、とても明るいですね！　濡れないことだけが問題ならば、潤滑ジェルを使ってみるのがいいと思います。最初はピンとこなくても、続けていたら気持ちよくなってきた！　という経験、私にもあるので。素敵な関係を築けている旦那さんならば、産後に性欲が減退することを理解してくれるはず。焦らずに挿入のないスキンシップを重ねながら、今日ならいけるかも！　というタイミングを待ってみては」

パートナーに対する不満を「マンネリ」で片づけていませんか？

「まずは“夫とセックスをしたくない”と感じている自分を大切にしてあげて。そして、今のあなたが思う理由には“それだけじゃない”ことも隠されているかもしれません。たとえば、相手に求められて仕方なく応じた、自分は好きじゃないプレイにつきあわされた、など、嫌な思いが積み重なることで、パートナーや身体接触への嫌悪感につながることもあります。無意識でも、あなたの嫌悪感には理由があって、そういった不満による不和を、“マンネリ”という言葉でふたをしていないでしょうか？　パートナーであっても性的同意は必要。まずは嫌悪感の原因を解明することが、もやもやの解消につながるはず。その結果、パートナーとの関係を修復したいと感じたら、自分の希望を伝えることから始めてみてください」

自分は「性」に何を求めているのか。セルフケアを通じて、追求してみて

「セックスをしないと女性として枯れてしまうという考えがどこから生まれているのか自分自身と向き合ってみるのはどうでしょうか？　保湿や筋トレは、そのきっかけにもなると思います。膣まわりにある骨盤底筋は、トレーニンググッズを使えば鍛えやすいですよ。丁寧に向き合う過程で、自分が本当はどうしたいのかが見えてくるかも」

正しい情報できちんと理解すれば、セックスに対する不安が軽減！

A.性的緊張からの突然の解放を指します。強い快感を感じた後、弛緩状態に至ります
「男性は射精というわかりやすい現象が起こりますが、女性の場合はないため、感覚がわからずに悩む人も多いようです。イクことだけが気持ちよさの定義ではないので、それにこだわる必要はありませんが、経験してみたい場合は、まず自分が気持ちよく感じるポイントを知りましょう。まずは女性がオーガズムに達しやすいといわれるクリトリスを刺激してみたり、自分で試してみて」（高橋先生）

A.セックスは体と体のコミュニケーション。あ・うんの呼吸が合うことがひとつの判断材料です
「会話と同じく、お互いにしたいことをわかり合えたり、ツボが合うことが大きなポイントだと思います。愛情は時間をかけて深め合うように、セックスも何回か繰り返すことで相性がよくなっていくもの。最初はピンとこなくても、次第に変化するはずです。ただし解剖学的に膣が小さい女性は、相性に関係なく痛みを感じやすいことが。その場合は潤滑ジェルなどを使って痛みをやわらげながら続ければ、膣がのびて、痛みを感じなくなることもありますよ」（高橋先生）

A.理論上、生理がきている10～30代の間がピークになりやすいといわれています
「あくまで人によって異なることを前提として、性欲が最も高い年齢は10〜30代。女性ホルモンが正常に分泌されている年代です。35歳を超えると卵巣機能が下がって妊娠しづらくなるのに伴い、性欲が落ちる人も少なくありません」（高橋先生）

A.セックスするのは健康な証拠！したいと思えば、何歳まででもできます
「人それぞれですが、60代、70代でセックスをしている人はたくさんいます。性風俗に従事する80代の女性がいるという話も聞いたことがありますし、実際、体が健康であれば何歳でも可能。年齢を理由にセックスをあきらめることも、無理に続ける必要もありません」（高橋先生）

A.気持ちよさを体験するのは◎。性感染症対策を忘れずに！
「実態を知らないので断言はできませんが、単純に女性を気持ちよくさせるための機関として考えれば、悪くないと思います。たとえば、気持ちよさを体験することで、セックスの苦手意識を克服できることも。ただし、オーラルセックスでも性病に感染するリスクをしっかり理解し、できる限りの対策を取ることが大切です」（高橋先生）

A.性性病に感染するリスクがないことと性欲を自由に発散できることがメリット！
「最大のメリットは性病に感染するリスクがないこと。パートナーとの性交渉がなくてもやもやしている人は、性欲を解消できることもプラスです。デメリットは特にありませんが、強いていうならば、刺激の強すぎるトイに慣れてしまうこと。パートナーの愛撫では感じられなくなった、という人もいるのでほどほどに」（高橋先生）

A.スタイリッシュなデザインは購入や携帯のハードルが低め！
「パートナーと一緒に楽しむなら、『Eva 2』がおすすめ。クリトリスを刺激するハンズフリーバイブレーターで、装着したまま挿入が可能です。試したいけど提案するのが恥ずかしい人は、今回の企画などのコンテンツを話のフックにすると誘いやすく。“こんなものがあるんだね”と、相手の反応を探ってみてください」（近藤さん）

A.「セックスをしないと老ける」も「セックスでキレイになれる」も根拠ゼロ
「セックスでキレイになれると信じている人は多いですが、医学的な根拠はありません。ただしセックスをする状況下では、人と関わる機会が増えたり、キレイになりたいと感じて努力したりしますよね。性行為そのものではなく、それにまつわる心境や行動の変化で美しくなる、という可能性は大いにあると思います」（高橋先生）

A.症状が現れにくいクラミジアや淋菌は特に注意！　オーラルセックスで感染する性病も
「感染者数が多いのは、クラミジアと淋菌。どちらも無症状の場合が多く、気づかないまま悪化してしまう傾向にあります。性器ヘルペスやコンジローマ、梅毒も多いです。いちばんの予防法はコンドームを使うことですが、ヘルペスやコンジローマ、梅毒はオーラルセックスでも感染する可能性が。パートナーが代わったときに、お互いが検査できると安心です」（高橋先生）

クラミジア　症状例はおりものの増加、下腹部の痛み、不正出血など。無症状のことも多い

淋菌　無症状の場合が多数。おりものの増加や不正出血、下腹部痛などが起きることも

梅毒　全身の皮膚、特に手のひらと足の裏に“バラ疹”と呼ばれる赤い発疹が現れる

性器ヘルペス　性器や口唇周辺の皮膚、粘膜に水ぶくれができるほか、強い痛みや発熱を伴うことも

コンジローマ　性器や肛門、口唇などの周辺にイボが現れる。かゆみや痛みを伴わないため気づきにくい

A.主治医がOKと判断すれば、問題なし！　ばい菌が入らないように細心の注意を
「妊婦健診の主治医に確認し、問題ないと言われ、その日の体調がよければOKです。また、途中でお腹が痛くなったり出血がみられたらすぐにやめましょう。その上で、体を清潔に保ち、必ずコンドームを着用することが大切。男性器や指に付着したばい菌が子宮内に入ってしまうと、早産などのリスクが高まるためです。また一定の体勢を続けていると、お腹の重みで血管が圧迫されて、気分が悪くなる可能性も。こまめに体位を変えることも意識しましょう」（高橋先生）

A.挿入しないタイプのトイであってもセックスと同じく、主治医の確認が必要
「女性がオーガズムを感じると、デリケートゾーンまわりの筋肉が痙攣するため、リスクを完全に防ぐためにはネットなどの情報で判断せずに、主治医に確認してください。許可が下りて使用する際、トイを清潔に保つことも大事です」（近藤さん）

A.一般的には減退するといわれています。いずれ戻りますが、要する期間は人それぞれ
「産後は女性ホルモンが低下するため、一般的には性欲が減退します。また、育児や睡眠不足などにより、心身ともに疲れがたまることも大きな原因に。女性ホルモンは徐々にもとに戻りますが、それに要する期間は人それぞれ。性欲を高めたい場合は、たっぷりの睡眠と健康的な食生活を心がけて、体を健やかに保って」（高橋先生）

A.男性ホルモンをより抑えるタイプを服用すると、性欲が低下する可能性あり
「ピルの服用＝必ずしも性欲減少にはつながりませんが、種類によって男性ホルモンを抑える作用が強いものもあるため、それを服用することで性欲が低下する可能性はあります。飲む以前より、あまりに低下していると感じるようだったら、婦人科医に相談して種類を変えてみましょう。その場合は、ホルモンバランスに詳しい医師や、ピルの種類が豊富なクリニックを探してみて」（高橋先生）

性に対する意識の変化とともにセックスを扱う漫画が急増中！　大人の性のもやもや悩みに“発見”と“寄り添い”をくれる漫画を、漫画に詳しい3人が紹介する座談会が開幕！

バタコ（以下、バ）　近年、女性に向けたセックスを扱う漫画が増えている印象があるのですが、実際どうなんでしょう?

あじま（以下、あ）　実際に増えていると思います。ちょっと昔までは、男性を主にターゲットとしたエロ漫画かTL（ティーンズラブ）くらいしか選択肢がなかったけど、扱うテーマが急激に広がったように感じます。

ちゃんめい（以下、ち）　同感です。また、テーマは同じでも、性をまじめに扱うもの、スリリングでエンタメ要素の強いもの、ガチの恋愛ものなど、ジャンルも様々。ジャンルが異なるとメッセージ性や共感できるポイントも違って、いろんな悩みに寄り添う作品がそろっていますよね。

バ　なぜ今、増えているんですかね？

あ　性に対する意識が変化していることが大きな要因だと思います。みんなが今までこっそりと悩んできたことや、悩みだとすら思ってこなかったことを、悩んでいいんだ！と思えるようになってきた。たとえばセックスレスも、昔はドロドロとした重めの作品でしか扱われてこなかったけど、今ではごく普通に描かれていますし。

ち　女性用風俗をテーマにした作品が急増していることが、最たる例ですよね。中でも衝撃を受けたのは、原作者の実体験をもとにした『女性に風俗って必要ですか？〜アラサー独女の再就職先が女性向け風俗店の裏方だった件〜』。性欲を満たすためだけでなく、性的コンプレックスを解消するために利用している人なども描かれていて、性風俗の概念が変わりました。

あ　女風（女性用風俗）くくりでは、『僕は春をひさぐ～女風セラピストの日常～』（水谷緑著　講談社　パルシィにて連載中）も面白いです。女性たちが女風を通じて解放される様子を、男性セラピストの視点から描いているんですけど、“誰かに認められたい”、“ただ抱きしめられたい”、といった利用者の願望にすごく共感しました。言葉にならない感覚を代弁してもらうだけで、心が救われるんですよね。

あじま（以下、あ）　女性向けとは違う、男性向けの性の漫画に共通する特徴は、面倒な手間を省いている点。難しいことは考えずに楽しみたい、というのが多くの男性の意識なのかな、と。

バタコ（以下、バ）　性に対する男女の価値観の違いが、顕著に表れていますよね。すれ違いが起こるのは、仕方ないことなのかも……。

ちゃんめい（以下、ち）　『あなたがしてくれなくても』は、まさにそれが原因でセックスレスになった2組のカップルが主人公。男女で異なるセックス像や、その原因などが描かれていて、とても興味深かったです。片方は夫が、片方は妻がセックスを拒んでいて、かつ男女両方の視点を知られるから、より感情移入してしまい……切なかった！

あ　印象的だったのは、約束していた日に妻が生理になったと打ち明けるシーン。「それじゃ仕方ないね」と言う夫の表情は明らかにホッとしているんですよ。ダイレクトに感情が伝わるのは、絵を用いる漫画ならではだと思います。

バ　“のども渇いてないのに飲めって言われてるみたいなんだよなぁ…”という夫側のセリフを読んで、ゾッとしたのを覚えています。私も似たような状況を経験したことがあるので、あのとき相手はこんな気持ちだったのかな……って。

ち　『それでも愛を誓いますか？』（萩原ケイク著　双葉社　全8巻）という、同じくセックスレスをテーマにした漫画は、仲はいいのにセックスについては踏み込んで話せない夫婦関係がリアリティ満載。これらの作品は、苦しいくらいに共感できるのと同時に、悩んでいるのは私だけじゃないんだ、と安心感も得られるんですよね。

あ　セックスの悩みって人に言いにくい。なかなか共感を得る機会がないからこそ、漫画に救われる人が多いんじゃないかな。

バ　確かに！　人と共有できないと考え方もアップデートされず、知らぬ間に偏っていたりしますよね。『結婚しない娘は用無しですか？』に、そう気づかされました。

あ　最高の作品ですよね！

バ　結婚したら夫としかセックスできないのか、と落ち込む主人公がハプニングバーへ行って運命的な出会いを果たす、というギャグ要素強めなストーリーですが、性のあらゆることに「こうしなきゃ」と正否を決めつけていたのは何でだろう？と、考えさせられて。凝り固まっていた思想を笑いではがされるような、新しい体験でした！

ち　自分の中で何かが解放されたり、好奇心を満たせるのも、性にまつわる漫画の面白さのひとつですよね。

ちゃんめい（以下、ち）　冒険のきっかけを探している人にはぜひ、『情熱のアレ』を読んでほしいです。主人公は、大人のおもちゃ屋で働き始めて、深い性の世界を知っていく女性。前半はプッと笑えるコメディタッチなんですけど、後半は、自己開示やセルフラブの大切さなど、パワフルなメッセージを怒濤のようにたたみかけてくる。セックスを楽しむ、ということの奥深さを様々な角度から考えさせられ、学びの多い作品でした。

あじま（以下、あ）　希望をもらえる、という点では、『女の子が抱いちゃダメですか？』もおすすめ。セックスに苦手意識を持ってきた女子が、試しに攻めてみたらしっくりきて。パートナーとコミュニケーションを重ねながら、二人にとってベストなセックスを見つけていく姿を描いています。きちんと言葉で伝え合うところや、オープンな心で挑戦するところなど、セックスに対してすごくポジティブな姿勢が素敵で。体も心も相性がいい相手なんて、そういないよね、とあきらめている人こそ元気をもらえるはず。

バタコ（以下、バ）　聞いているだけで、気持ちが明るくなりました。やっぱり漫画っていいですね！

あ　数年前に大きな話題になった『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』（永田カビ著　イースト・プレス　全1巻）というルポ漫画で、作者がレズ風俗の存在を知っただけで世界が広がるのを感じる描写があるんですけど。女性にとっての性の漫画も、まさにそんな存在だなって。

ち　ですね！　真っ正面から性の話をしなくても、“これ読んだ？”って友達とも盛り上がれるし。シンプルにエンタメとしても楽しめて、最高のコンテンツです。

イラスト／misaitoi　構成・原文／中西彩乃　※BAILA2023年7月号掲載