WEBアンケート調査を実施したところ、回答したBAILA世代の女性262人の54%が現在「セックスレスかも」と思っている結果に! その実態をさらに深掘りするべく、セックスレスで悩んでいる30代の女性にインタビューを行った。
交際当初から“レス気味”【38歳・Nさんの場合】
今回登場するのは、金融機関で働くNさん(38歳)。他人よりも性欲が強いと自覚する彼女とは真逆で、性欲がほとんどない夫とは、交際当初から10年間セックスレス。セックスはおろかスキンシップにも応じてもらえない、満たされぬ日々の葛藤を語ってくれた。
結婚前もセックスに不満はあったけれど、結婚願望が勝った
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「転職先の職場の先輩だった夫と出会ったのは、28歳のとき。馴染みのない土地で新生活を始めたばかりで不安だった私にとって、10歳上の彼はとても頼もしく、心の拠り所でした。交際を始めた当初からセックスの頻度が少なかったのですが、半年もすると3カ月に1度のペースに。私は性欲が旺盛なので、正直、すごく不満でした。
性生活の不一致を除けば、彼はとてもいい人でしたから、傷つけたくなくて。不満を伝えられないままズルズルと付き合っていたら31歳になり、友達は続々と結婚。彼と別れたら婚期を逃してしまう!という不安から、焦るように結婚しました」
結婚後ますますペースダウン。夫は「努力する」と言うけれど・・・・・・
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「私は極度の寂しがり屋で、一人で生きていくことの心細さと比べたら、セックスの不満なんて大したことないと感じてしまったんですよね。でも結婚生活が始まると、セックスの回数は減る一途。彼から求められることはなく、いつも私から誘っています。断られることも多くて、4カ月~半年に1度のペースを頑張って保っている状態です。
そもそも夫はスキンシップが苦手で、キスやハグすら拒まれることが日常茶飯事。一緒にお酒を飲んでいるとき、私が近づいてハグしようとすると、『いいから、そっちに座ってて』と言われるんです。彼は軽い気持ちで言っているんでしょうけど、めちゃめちゃ傷つきます。
最初は我慢していましたが、拒絶され続けることに耐えられなくなって怒りが爆発。不満をぶちまけたら、夫は『ごめん。嫌がらないように頑張る』と。それから数週間は受け入れてくれたのですが、徐々に拒まれるようになって再び私が激怒。これを数年間、何度も何度も繰り返しています……」
不満を伝えると夫は逆ギレ。「性欲はある」の一点張り
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「それ以外にも、セックスレスにまつわる書籍や刺激的なセックスを特集している雑誌を渡したり、カップルカウンセリングを提案したり……できることは片っ端から試しましたが、夫は『時間がない』『必要ある?』とあからさまに嫌がる。今では私が怒ってもあっけらかんとしていて、『僕の努力を少しは認めてほしい』と逆ギレされることが増えました。
私からすれば、夫に性欲がないのは明らか。『本当は性欲がないんじゃない?』と何度か聞いてみたのですが、『バリバリあるよ』と笑って答えるんです。『性欲がなくても好きな気持ちは変わらない。私はただ、あなたに無理をさせないために対処法を考えたいだけ』と伝えても、『性欲はある!』の一点張り。話し合いに応じてくれるのは嬉しいけれど、解決策が見つかったことは一度もありません」
“レスられ妻”としてXを開始。そして女性用風俗にも・・・・・・
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「セックスレスのストレスを発散するために、去年の夏、Xのアカウントを開設しました。友達や知り合いには話しにくいことも、Xなら赤裸々に発信できるから不思議。共感してもらうと寂しさが紛れて、心が軽くなるんですよ。同じ境遇の人がたくさんいることも知り、悩んでいるのは私だけじゃないんだ、と勇気をもらっています。
実は数カ月前から女性用風俗に通っているのですが、そのきっかけもXでした。体験談を読んで興味を持ち、思い切って試してみたら、ものすごく満たされて……。テクニックによる気持ちよさはもちろんですが、まるで愛しい恋人のように接してくれて、肉体的にも精神的にも救われました。もちろん夫には秘密で、月に1度だけ、自分へのご褒美としています。
風俗に通っていることを知ったら、夫は傷つくと思います。『あなたがセックスしてくれないなら別の人としたい』と言ったとき、猛反対されたので。浮気はダメ、離婚もしたくない、などと言う割には協力も努力もしてくれず、彼の思考が本当に理解できません」
惨めな思いをしてまでセックスするべき? 結婚7年目で八方塞がりに
「私が何よりも悲しいのは、夫が私の辛さや苦悩を理解しようとしないこと。彼は、私の怒りや不満は一時的なもので、夫婦仲は円満だと信じてやまないんです。性欲がない人に、性欲を我慢する辛さを理解できないのは仕方のないこと。でも私の表情や態度を見ていれば、辛さを想像することはできるはずです。
これまで夫婦の絆を保つために頑張ってきましたが、正直、最近はバカらしく感じています。行為も淡白で、それほど気持ち良くないし……。惨めで辛い思いをしてまで、する価値があるのかな?と。寂しくならないために結婚したのに、夫に愛してもらえない寂しさで涙を流す日々。どうしたらいいのかわからず、完全に行き詰まっています…」
この10年間、セックスレスを解決するためにさまざまなアクションを起こしたNさんは、性欲に差がある二人の折衷案を探る手立てが尽きたと感じている。当面は、月イチで通う女性用風俗を楽しみに、夫との関係はゆっくり見直していく予定なのだとか。
取材・文/中西彩乃