カリスマ個人投資家・テスタさん。総利益100億円以上の成績を持つ彼が、BAILA世代に投資やマネーリテラシーをレクチャー。今回は初心者が抱きがちな「株式投資=ギャンブルみたいに危険なもの」というイメージについて伺います。

「株式投資」って賭け事とは何が違うんですか?
ギャンブルには「胴元」がいる。一方で、株式投資は資本主義の成長にお金を投じる行為
株式投資と言われてまず思い浮かぶのは「……え、それってギャンブルなんじゃないの?」というイメージ。そして勝てれば一攫千金、負ければ資産を失ってすっからかん、といった、0か100かみたいな漠然とした恐ろしさも。テスタさん、株とギャンブルって何が違うんでしょうか?
「そうですね。混同される方も多いと思いますが、違います。宝くじや競馬などのギャンブルには、胴元(どうもと)と呼ばれる主催側がいます。参加した人の出資金や利益の一部は、この胴元に吸い上げられる仕組みに。一方で、株式へ投資する場合は成長を見込める企業にお金を出し、利益が出たら分配金を受け取ります。これは“経済は上がっていく”という資本主義のルールに基づいて行うものなので、胴元はいません」
経済には波がある。それを理解し、リスクを最小限に抑えるのがキモ
とはいえ、経済にはアップ&ダウンがつきもの。働いて得た収入で株を購入したものの、投資先の業績が悪化したり、思わぬ不況に巻き込まれたりして、お金を失ってしまうのは怖い……!
「分かりますよ。経済は上下を繰り返しながら、長期的に見ると上がっていくものではあるのですが、短期で見ると下落や暴落の局面もあります。あとは投資先の会社の業績が思わしくなく、上場廃止になったりする場合も困りますよね。株式投資はプラスサムゲーム(最終的には参加者全員に何かしらの利益が得られる状況のこと)だけど、そういったリスクがある側面も理解をしておいたほうがいい。その上で“できる限りリスクを抑える”ことが、大事になってくるんです」
どうやって株式投資のリスクを抑えたらいいですか?
勝つのではなく負けを減らす。一攫千金は狙わない!

テスタさん自身の投資も、「リスクを抑える」という哲学は一貫しているそう。
「まずは“一度に大きく勝とう”と思うのはやめましょう。株式投資=一攫千金的なイメージがありますが、僕は、トータルで利益を増やせればよいと思っています。投資を始めてから6年目で資産1億円に達しましたが、これも、勝つよりも負けを減らすように努力した結果、たどり着いたもの。たとえば僕の場合、最初はスキャルピングやデイトレードといった、超短期~短期の売買から始めました。当時はアルゴリズムが発達していなかったので勝ちやすい手法だった、という理由もありますが、手持ちの資金を株式市場に晒しているのが長くても1日以内と、負けるリスクが少ないと思ったからでもあるんです」
「複利」の効果を利用しよう!
株式投資でコツコツ勝っていくために不可欠なのが「複利」への理解。
「これは簡単に説明すると、株の売買で得た利益+元本分を再投資すること。利益を得たら、また次の株式投資の資金に使う。大きく勝たなくてもいいんです。小さな利益でも複利で投資を回していけば、いつしか利益は雪だるまのように大きくなって増えていく。僕は、株式投資の魅力は複利効果にあると思っています」
テスタさんの格言 「株はギャンブルではない。そして負けなければ、おのずと勝ちになる」

株式投資とギャンブルの違い、株はプラスサムゲームだがリスク局面もあること、そしてリスクを抑えながら資産を増やす考え方を伝授してくれたテスタさん。ほかの記事でも、投資の勉強の仕方や実際の始め方などをレクチャーしてくれます。
*本記事はマネー情報の提供を目的にしており、特定の金融商品の売買の推奨はしていません。記事の内容にもあるように、株式投資はリスクを伴います。自己責任の範囲内で行うようにお願い致します。
撮影/三浦晴 イラスト/Kanna Takeda 取材・文/石井絵里




























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