カリスマ個人投資家・テスタさん。総利益100億円以上の成績を持つ彼が、BAILA世代に投資やマネーリテラシーをレクチャー。今回の記事では、投資した株の利益確定の仕方と、マイナスを出してしまった場合の損切りについて教えてもらいます。

「利益確定」って何を基準にしたらいいんですか?
株を買う前に「売る時期&おおよその利益」を想定しておく
個別株への投資で難しいのが「利益確定」のタイミング。買った株って、一体いつ売ればいいのでしょうか? 購入時よりも株価が上がり、含み益が増えると「まだ上がるから、今、確定したらもったいないんじゃないか?」と思いつつ、「でも下がったら損をしてしまう~」とモヤモヤが。その結果、なかなか売れない状態に陥りがち……。
「こういう方は少なくないんじゃないかと思います。ちょっぴり厳しい言い方になっちゃいますけど、“売りどきが分からない”っていうのは、最初の設定が甘いからなんですね。株を買う前に、『この会社のこの商品は売れる。半年後の決算前までに、株価はこれぐらい上がるだろう』と、ある程度イメージしておくことが大事なんです。そうすれば売りどきは自然と決まってくるし、なんとなく銘柄を持ち続けることはないわけです」
具体的なイメージを持つためにも、企業の分析は大事
投資先の解像度を上げ、安定した利益を得るためにも「企業について調べたり、分析するのは大切」とも。
「過去5年分ぐらいの決算は、買う前に調べたほうがいいと思います。特に、近年で大暴落があった2020年のコロナ禍中のデータは、会社の体力が測れるのでしっかり確認しましょう。こうして企業への理解を深め、出口を決めておく。海外情勢など予期せぬ展開が起こった際にどうするか、というのも事前に考えておきましょう。たとえば『想定外に上がった場合は、〇%を売る』など。逆もしかりです。予想したとおりには株価が上がらなかった場合はどうするか、撤退のタイミングも考えておきましょう。こちらの記事で話したカラオケ企業への投資では、『コロナ禍が収まって半年たったら売ろう』と決めていました」
「損切り」は次の投資に挑むための第一歩
マイナスの利益で撤退するのは、悪いことではない!

投資の世界でよく言われる「損切り」。買った値段からマイナスになってしまった株を、手放すときに使われる表現だが、テスタさんは「損切りは悪いものじゃないんですよ」と解説。
「買ったときよりも株価が下がった状態で利益確定するのは、楽しいことじゃないとは思いますが。損切りは、むしろしたほうがいいんです。評価額がマイナスになったのは、自分の読みが外れた証拠。銘柄の選び方なのか、買い方なのか、何かしらマイナスになった理由があるわけです。買ったときの値段のことは忘れ、負けを潔く認めて損をしたほうがいいです。そして失敗を学びに、次の投資へと挑みましょう。僕自身いまだに損切りをしていますよ。購入した銘柄のうち3~4割は損切りしていると思います。『そんなに?』と思われる方もいるかもしれないですが、3割、4割負けても、残りの7割、6割で勝てればOK。“トータルで勝ちに行く”ことを意識しましょう」
“塩漬け”はお金と時間をムダにするだけ
マイナスの評価額になっても「いつかプラスに転じる」と信じて、いつまでも買った株を保持し続けるのが“塩漬け”と呼ばれる行為。これはあまり推奨できないそう。
「マイナスだった株価が、確かに途中からプラスに転じることはあります。個人投資家が一度は経験することかもしれません。でもこれって、ダメな成功体験なんです。最初の設定がブレているのに、偶然プラスに戻った経験をすることで『次もきっと同じ展開になるはず』と何かしら理由をつけて、いつまでもその株を保持してしまう。これはよくないんですよ。100万円分の株を買い、10万円の損失が出たとします。『いつか10万円戻るはず~』と、ふわ~っと思いながら何年も塩漬け状態にするよりも、90万円で利益を確定しましょう。そしてその90万円で新たな銘柄に投資したほうがよっぽどいいです。中には『もうマイナスの評価益を見たくないから、何年も放置してる』という人もいますよ。でも、結局は塩漬けの株ばっかり持っていても、利益を生み出しようがないわけですから。時間もお金ももったいないです。自分と向き合い、新たなチャンスを取りに行って欲しいですね」
テスタさんの格言 「“買う理由”がハッキリしていれば、売るタイミングも逃さないはず!」

利益確定のタイミングと、損切りの大切さを教えてくれたテスタさん。「なんとなく買い」せずにしっかり狙いを定めて購入すれば、売るタイミングもおのずと見えてきそう。
*本記事はマネー情報の提供を目的にしており、特定の金融商品の売買の推奨はしていません。記事の内容にもあるように、株式投資はリスクを伴います。自己責任の範囲内で行うようにお願い致します。
撮影/三浦晴 イラスト/Kanna Takeda 取材・文/石井絵里



























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