BAILA世代が知っておきたいニュースキーワードをクイズ形式でご紹介。おうち時間が増えている今、知っているようで知らない時事ワードの意味をアップデートして、グローバルに視野を広げてみませんか?
第7回目の問題は「一帯一路」。
ヒントは、中国のグローバルな構想。あなたは説明ちゃんとできますか?
【答えはこちら!】
まず、読み方は「いったいいちろ」。
“中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席が2013年に提唱した広域経済圏構想。かつて中国と欧州を結んだシルクロードを模し、中央アジア経由の陸路(一帯)とインド沖経由の海路(一路)の国々と5つの分野(政策、インフラ、貿易・投資、金融、民間協力)で交流・協力を目指す。”
「日経キーワード2020-2021」(日経HR編集部)より引用
シルクロードといえば、中国特産の絹がローマ帝国まで運ばれたことから名付けられた古代の歴史的な東西交易路ですが、一帯一路はその現代版。陸路の「一帯」と海路の「一路」に分かれており、それぞれ「シルクロード経済ベルト」、「21世紀海上シルクロード」と呼ばれています。そのルートの沿線にはアジア、アフリカ、ヨーロッパなどおよそ100の国があり、沿線国だけで世界人口の約6割を占めるという壮大なスケール。中国が、沿線地域の道路や鉄道、港湾、通信網などのインフラ整備を支援して、貿易や人の交流を活発にし、巨大な経済圏を作ろうとする構想です。19年3月にG7として初めてイタリアが支持を表明し、19年4月時点で、126か国と29の国際機関が一帯一路に協力する覚書を中国と締結しました。
どんなプロジェクトが進められているの?
「一帯」の重要な鉄道インフラとして進められているプロジェクトが「中欧班列(ちゅうおうはんれつ)」と呼ばれる貨物列車。中国内の約50都市とヨーロッパや中央アジア15か国の約50都市を結んでいます。輸送される荷物は、パソコンや自動車から食料加工品、日用品まで幅広く、開設当初年間17本だった運行本数が2018年には6300本にまで拡大。「中欧班列」ならではの新しい物流や商業活動が発展しています。他にも道路整備、原油・天然ガスのパイプライン建設など、世界の貿易の流れを変えるさまざまなプロジェクトが計画、実行されています。
構想が提唱された当初から、内外の情勢が変化するなかで、今後、中国が一帯一路をどう進めていくのか、世界がどう対応していくのかを注目していきましょう。
取材・文/佐久間知子