BAILA読者から集まった「私、相手に嫌な思いをさせたかも!?」と思ったフレーズたち。価値観をアップデートし続けているイラストエッセイストの犬山紙子さん&漫才コンビ・ラランドのサーヤさん&ジャーナリストの中野円佳さんの3人が、改善策をお答えします。男性に対して「彼女つくりなよ」「格好いいから何もしなくてもいいのに」なんて言っている人はストップ!
すごく美容意識が高い男性に、「すでに格好いいから、何もしなくてもいいのに」と言ったのですが、これってセクハラかも?(38歳・メーカー)
中野円佳さんならこうする!
これは恋愛感情として好きな相手に言うセリフに聞こえます
「男性のことを口説いているように聞こえますが、違うみたいですね。恋愛的に好きな相手に言うなら○ですが、違うなら相手も“何が言いたいの?”と感じるんじゃないでしょうか。あと、細かい言い方ですが“のに”も余計ですね。美容に気をつかわないほうがいいと相手の行動をジャッジする意味にも取れてNG。伝える必要がないと思います」
犬山紙子さんならこうする!
美容はジャッジされるためのものではないと私たちは身にしみているはず
「これはクソバイスですね。でも私も、昔はこんなこと言っちゃってたなぁと反省中です。私たちは“美容は自分が満足するためにやっている”ということを、知っているはずなのに……。もしこれが後輩相手なら、セクハラです。褒めたいという気持ちがあるにしても、仕事相手の外見そのものを褒めるのは失礼にあたります」
20代男性の新人に「彼女つくりなよー」と雑談のノリで言ってしまったのですが、よくなかったですかね?(34歳・広告)
サーヤさんならこうする!
恋愛対象を異性だと決めつけないようにしています…
「まず私は“彼女”や“彼氏”という言葉で最初から相手の恋愛対象を決めつけないように心がけています。この新人の彼も、もしかしたらゲイかもしれませんよね。そして、もし相手の話している内容から“パートナーがいればプラスになるのでは?”と感じたのであれば、“つくりなよ”という命令系ではなく、選択肢のひとつとして提案するのがベターだと思います」
犬山紙子さんならこうする!
下の世代をいじるのはNG!雑談は相手を褒めるところから
「年下の子をいじるような雑談はやめるべきですね。後輩と仲よくなりたいのなら、最初は褒めて距離を詰めるのがいいと思います。“あなたのこういうところ、素晴らしいね”って。こちらはウェルカムだよという雰囲気を伝えられれば、色恋の話をせずとも、楽しい雑談ができるようになるのでは」
男性の友達が女性と遊びに行ったと聞いて、「いい感じなの?」と聞いてしまい、微妙な空気に。後にゲイだとカミングアウトしてくれて、決めつけて人を見ていることに気づかされました。(37歳・金融)
中野円佳さんならこうする!
本人から話し始めるまで恋愛のことは聞かない
「このケース、相手がゲイじゃなくても“踏み込まなくてもいいプライベートのことを聞いている”ように見えますね。男女が1対1で遊びに行く=カップルではありませんから。恋愛に結びつけるのは、相手が言ってくれてからでいいのでは?」
サーヤさんならこうする!
よく異性との恋バナをする人なら問題ないけど…
「むず! これは難しいラインですね。たとえば、いつも異性との恋バナをしてくる相手なら、問題ない言葉だったと思いますが……。人によっては嫌がると思うので一概には言えないです」
サーヤさん(ラランド)
1995年生まれ。漫才コンビ・ラランド。広告代理店で働きながら芸人としても活動、「M-1グランプリ2019」準決勝に出場し話題に。バラエティTV番組「トゲアリトゲナシトゲトゲ」(テレビ朝日系 月曜深夜2時16分〜)レギュラー出演中。
犬山紙子さん
1981年生まれ。イラストエッセイスト。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ社)など。児童虐待問題に声を上げるタレントチーム「#こどものいのちはこどものもの」を立ち上げるなど社会問題にも積極的に取り組んでいる。
ジャーナリスト
中野円佳さん
1984年生まれ。フリージャーナリスト。経済産業省「競争戦略としてのダイバーシティ経営の在り方に関する検討会」委員を務めた経験も。著書に『上司の「いじり」が許せない』(講談社)など。
撮影/押尾健太郎(犬山さん・サーヤさん) ヘア&メイク/サイオチアキ〈Lila〉(サーヤさん) スタイリスト/西村茜音(サーヤさん) イラスト/大窪史乃 取材・原文/東 美希 ※BAILA2021年11月号掲載