職場で相手を褒めたい気持ちはあるけど、実際どうやって褒めればいいの? 褒め下手さんあるあるなお悩み事例に、褒め上手なお二人、イラストエッセイスト犬山紙子さんとリクルートエージェント カスタマーサービス3部 部長 中村果代さんがアドバイス!
イラストエッセイスト
犬山紙子さん
エッセイストとして多数の連載を持つほか、コメンテーターとしても活躍中。著書に『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社)など。
リクルートエージェント カスタマーサービス3部 部長
中村果代さん
転職エージェント、カスタマーサービス部門の部長として約75人をマネジメントしている。リクルートエージェントは、仕事について表彰する機会や、褒め合うことも多いそう。
【To 上司】Q 素敵だな、すごいなと思った上司の行動を素直に伝えたいが、「上から目線」「馬鹿にしている」と思われてしまいそうで…(39歳・商社)
A
「自分がどう思ったか」を素直に伝えるのが◎(中村さん)
「いい悪いを評価するのは避け、“素敵でした!”のように感想を伝えると◎。管理職になると褒められる機会が減るので、どんどん褒めてくれると上司側も嬉しいです(笑)」
「これから真似させてもらいます!」と言ってみる(犬山さん)
「目上の方に使いやすいワードは“真似させていただきます”と“勉強になりました”です」(犬山さん)
【To 後輩男子】Q 褒めたいことがあっても、セクハラととらえられたり、異性として意識していると思われないか心配になってしまう(36歳・食品メーカー)
A
褒めるときは、男性であるがゆえの部分以外を(犬山さん)
「男らしさ、女らしさのフレームを外して褒めること! “○○男子だね”などの言葉は褒めのつもりでも嫌な気持ちになる人もいるので注意」
自分が言われたら嫌なことは、褒めでも言わない(中村さん)
「性別にとらわれず、自分が言われて不快な話題は、後輩男子にもNGだと考えて。恋愛がらみの話題もよほど親しい場合以外は避ける」
褒めができる人は伸びる by 中村さん
「褒める人=相手のいいところに気づける人。観察して吸収できる人が多く、成長も速いイメージがありますね。また、褒める習慣があると、自分のいいところにも気づきやすくなるので、強みを伸ばすことにもつながりますよ」
【To 同僚、後輩】Q できる後輩がいて、チームとしてはありがたいことで本当は褒めたいのに、悔しさや「なんで自分にはできないんだ」という気持ちが先にきてしまいます(31歳・マスコミ)
A
嫌みったらしく、自虐につなげないのが大事(犬山さん)
「褒めたい気持ち、素敵です! “私にはできない”と卑下しつつ褒めたり、早く出世する同僚に“コミュ力あるよね”というような、意地悪ともとれる表現をしなければ大丈夫!」
褒めとセットで、できる理由を聞きに行ってみては(中村さん)
「褒めとセットで“何でできるの?”とコツを聞いて、自分の糧にする! 気持ちの折り合いもつくし、成長もできます」
褒めニケーションは社内の潤滑油 by 中村さん
「褒めは、チームの雰囲気をよくしてくれる潤滑油。褒められて“チームの役に立っている”と実感が持てると、居心地がよくなり、安心して仕事ができますよね。さらに、“強みを言語化する”という意味でもとても大事です」
イラスト/二階堂ちはる 取材・原文/東 美希 ※BAILA2023年5月号掲載