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【大人の上京物語】山口県出身の起業家、千田絵美さんの場合は?

広島で小学校の教師をしていた千田さんが東京でPR会社を起業するまでの道のり。カギを握るのは、やはり“上京”だった。

千田絵美さん

起業家

千田絵美さん

「準備は4割でもいい。自分が生き生きする場所に来られた」

起業家 千田絵美さん

広報&PRの仕事のため上京。就職が決まったのは引っ越した後でした

幼い頃からの夢だった小学校教諭を目指し進学。臨時教員を3カ月務め、向いていないと実感した千田さん。 「真逆の仕事、そしてビジネスの基本を学ぼうと考え、広島で営業に転職しました。そこで働いている頃、広報・PRという仕事を知ったんです。憧れた理由はけっこうミーハー(笑)。林真理子さんの小説『コスメティック』を読んで、その職業でバリバリやっている登場人物の姿から“こんな仕事をしてみたい!”と思ったこと。さらに当時よくテレビに出ていたベンチャー企業の広報の女性を見て、カッコいいなと思ったこと。この二つが理由です」

25歳で上京。その転職活動の仕方はチャレンジングなものだった。

「広島にいながら転職活動も考えたのですが、当時はリモート面接などほぼない時代。これは難しいかもしれないと思い、先に会社を辞めて東京に引っ越しました。上京直後から毎日2〜3社の面接を受け続け、2週間後に就職先が決定。でも“背水の陣”のような追い詰められた気持ちではありませんでした。2〜3カ月は生活できる貯金があり、もしそれが尽きてしまったら帰ろう。働いてみて向いてなかったらまた新しい道を探そう。とりあえずやってみるしかない。そう思っていました

最初の就職先は当時上場目前のベンチャー企業。社長秘書兼広報だった。

「それ以前は東京を遠い場所、怖い場所だと漠然と思っていました。そのイメージは上京してガラリと変化。人間関係に恵まれたこともありますが、手探り状態の広報の仕事に没頭し、同年代の友達もでき、とにかく忙しくて怖さを感じている暇もなかったですね」

3年後には大手メーカーに広報として転職。ここで結婚と出産も経験。

「上京したときも、転職したときも、まだ“絶対に起業する”とは思っていなかった。ですが、幼い頃から漠然と“子どもといる時間をつくりやすい、自分で時間をコントロールできるような働き方をしたい”とは考えていました。それが独立・起業につながったんです」

独立を心に決め、次の転職先は経営者の仕事ぶりを間近で見られるスタートアップ企業のPRマネージャー。その後36歳で起業した。順調なステップアップに見えるが、準備万端ではなかったそう。

「いつも準備は4割くらい。4割って少ないですよね(笑)。でも私は、準備万端になるまで待っているうちに、できなくなってしまうほうが怖いんです。やってみたいことは絶対にやりたい。だから、タイミングが来れば準備できてなくてもチャレンジしてきました。起業したタイミングも、勤め先の体制が変わることになり“また転職するなら、もう起業しようかな”と。そこからすぐに登記をとって……。上京したときと似たスピード感でしたね」

ライフスタイルのように上京の理由もタイミングも多様化してほしい

準備や覚悟なんてそれほど必要ない。来たければいつだって東京に来たらいいと千田さんは話す。

「リモート勤務なども増えてきましたが、私はずっと東京で働くつもりです。メンバーと空気感やトレンドの読み方やつかみ方を共有することはとても大事ですから。そして私はミーハーなので、トレンドに直接触れられる、にぎやかな場所で自分の心を満たしたい、という感覚ですね(笑)。逆に“地元に帰って広い家でリモートで働くほうが生き生きする”という人もいますよね。今はどこでだって働ける時代。現代の上京は、“必要性”ではなく、“自分が生き生きできる場所で暮らす”という感覚で決めていいと思います。さらに、ひと昔前は何歳までに結婚、何歳までに出産というイメージを漠然と持ちながら働いている人が多かった。でも今は、それも多様化していると思います。私自身、25歳で上京したときは、遅かったかも……と焦っていましたが、振り返ればそんなことなかった。今ならなおさら“何歳では遅い”ということはないと思うんです。私の会社にも、30歳前後で地元の安定した職を辞めて上京した女性がいます。上京したいと思う理由は何でもいいです。楽しそうとか、住んでみたいとか、そんな理由で全然いいと思います。“上京してみたい”。そう思った自分の気持ちを大事にして、チャレンジしてみてほしいです」

起業家 千田絵美さんのHistory

History
22歳 小学校教諭の夢をかなえるも、数カ月で退職
24歳 広島で営業の仕事をしているとき、広報やPRという仕事を知る
25歳 上京。ベンチャー企業で社長秘書兼広報の仕事に就く
28歳 1社目よりも規模の大きい企業に広報として入社
30歳 出産
33歳 ベンチャー企業にPRマネージャーとして入社
36歳 広報・PRエージェンシー「フロントステージ」を起業

上京1社目の広報時代。上場する女性社長の取材対応のためテレビの撮影チームと

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広島時代。営業として働いていたときの仲間たちと

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撮影/nae. 取材・原文/東 美希 ※BAILA2023年8・9月合併号掲載

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