スーパーバイラーズ杉松千紘さんのライフ＆キャリア現在地【働く30代BAILA世代ルポ】

BAILA誌面や＠BAILAで活躍するスーパーバイラーズを毎月一人ずつ紹介する「スーパーバイラーズインタビュー」シリーズ。

第5回は、旅行レポやホテル宿泊記、グルメ店紹介も人気の杉松千紘さんにクローズアップ。今年の2月にメガバンクを退職しブーケデザイナーとして起業したばかりの杉松さん。気分を上げるお仕事スタイルや働くうえで大切にしていることとは？　美味しいものと推し活でパワーを満たす休日の過ごし方から記事執筆の裏側まで、深掘りインタビュー！

Tops / SHIPS

Skirt / Demi-Luxe BEAMS

Shoes / DIANA

Bag / ZANELLATO

今年の2月に7年間勤めたメガバンクを退職し起業。現在は造花のウエディングブーケを製作して販売するショップを運営している。

「造花の仕入れの日以外は自宅でブーケの製作にあたっているので、週５日出勤だった銀行員時代に比べると、今は外出する機会がかなり減りました。その分、外に出るときはリフレッシュの時間になっています。今のお仕事スタイルは、仕事モードに切り替えたり、気分を上げたりする自分のための仕事服なので、好きな服を着ておしゃれをしっかり楽しむようにしています」

学生のときからモノトーンが好きで、杉松さんといえばモノトーンというイメージなのだとか。

「モノトーンが大好きで、赤などの色物を着てみたこともあったのですが、やっぱり白黒が落ち着くなと。白や黒でシンプルにまとめつつも、単純になりすぎないようふんわりとしたシルエットで可愛らしさを加えたり、アクセサリーなどでアクセントをプラスしたりするのがマイルールです」

ブーケデザイナーとして独立して約半年。結婚式という大切な日にブーケが間に合わないということだけはあってはならないので、タスク管理を徹底しているとか。

「銀行にいたときに取得した資格『MOS Excel 365 エキスパート』の知識を活用して、注文ごとの進捗状況をExcelの関数やマクロを使ってわかりやすく整理し、対応漏れがないようにしています。ミスなく効率的に物事を進めていくために作業フローを精緻化していくというのは、銀行員時代に鍛えられたこともあって得意なほう。たくさんのタスクを抱えながらもパンクせず一人でやってこれているのは、前職で培った感覚が生きているからだと思っています」

また、慎重派にならないことも心がけているそう。

「『とにかく何でもやってみること』を意識しています。ひと昔前の私は何をするにも慎重で。やりたいことがあっても周りからの評価を恐れていたのか、『落ち着いてから』　『もう少し準備ができてから』と後回しにし、やりたいことの渋滞を起こしてしまう傾向がありました。でも今は、『準備万端を待っていてもそんな日は一生来ない』と自分に言い聞かせて、何でもとりあえずはやってみるようにしています。まずは一歩踏み出してみて、違うなと思ったらやりながら軌道修正していけばいい。これを意識するようになってから、自分がどんどんステップアップしていくのを実感しました」

2017年にメガバンクへ入社して7年間、外国為替の仕事に携わっていた杉松さん。今年の２月に退職し、ブーケデザイナーとして起業した。

「もともと独立は考えていませんでしたが、コロナ禍のときに、SNSが急激に発展したのを目の当たりにして、直感的に『この波に乗った方がいい』と思うようになりました。幼い頃から『誰かのために何かをつくること』が好きだったこともあって、自分がつくったものをSNSで宣伝して販売していくというビジネスをやってみたいと思うようになり、このタイミングで起業を将来的な選択肢の一つとして視野に入れ始めました」

2023年に結婚し、私生活でも変化が。夫との同居がスタートした同じタイミングで職場の移転が重なり、通勤に往復4時間かかるように。

「家庭と仕事とを両立させることの難しさに直面しました。夫は数年おきに全国規模の転勤があるのですが、私も夫も別居婚はしたくなくて。また私自身、今後どのようなライフステージの変化があっても何にも縛られず柔軟に働いていたいという思いがありました。そんなふうに色々と考えを巡らせていた中、昨年の12月に結婚式をしたのですが、そこで造花のブーケと出合ったんです。とっても素敵なのに思ったよりも情報が少ないし、周りにも知っている人はあまりいなくて、『これは需要があるのでは』と。もちろん未経験だったのですが、そこから造花のブーケ製作のスクールに通いはじめたんです。その後、7年間勤めた会社を退職し、思い描いていたSNSを使ったビジネスに挑戦することを決意しました。

起業して半年がたった今、これまでまいてきた種がようやく花を咲かせ始めてくれているようで、今はありがたいことにひと月に約50件のオーダーメイドの依頼を受けます。目まぐるしい毎日ですが、今はとにかく経験を増やし、スキルを上げられるよう頑張っています。そして、いつかは教えられる側になれたらと思っています」

気分を上げてくれるお守りアイテムや、どんな日でもバッグに絶対入れておきたい頼れるアイテム。杉松さんにとっての“マイ・エッセンシャル”を拝見！

外出するときは必ず着けるようにしているというカルティエのタンク マスト ウォッチ。婚約したときの記念に、夫からプレゼントされたものだとか。

「一生の宝物です。指輪より時計のほうが欲しかったので、夫と話し合って決めました。私が好きなモノトーンの服との相性もバッチリで、手もとのアクセントとして取り入れるととても可愛いです。ストラップをカスタマイズできるので、さし色となるカラーのベルトも欲しいなと最近考えています」

Tops / Dark Angel

One-piece / coca

Shoes / BUTTERFLY TWISTS

Bag / Michino Paris

休日もモノトーンコーデがお決まりという杉松さん。休日は、シルエットを柔らかくしたり、足もとをフラットにしたりと、お仕事コーデよりラフな雰囲気に。

「仕事モードで外出するときはモチベーションを上げるためにもきれいめな服を着ることが多いですが、オフの日はとにかく動きやすくて楽な服を選んでいます。特に、さらっと着られるワンピースが好きで、クローゼットの中はモノトーンのワンピースだらけです。バタフライツイストのフラットシューズもお気に入りで、買い替えしつつも愛用歴は5年です」

「読者の方に楽しんで読んでもらうにはどんな内容がいいかな？」と考えながらブログを書く時間が楽しく、気がついたら数時間たっていたなんてこともしばしばあるそう。記事を書くうえで工夫していることは、読者に身近に感じてもらえる内容にすることなのだとか。

 「バイラーズはあくまで一般人。@BAILAの中で、バイラーズの記事を読みにきてくれる方が求めているのはそんな一般人が発信する“手軽に真似できる情報”なのかなと思っています。たとえば、入手困難なアイテムではなく今すぐ通販で買えるものを、予約困難な宿ではなく明日にでも空きがある穴場のところを紹介するなど、『いいな』だけで終わらない、その先の『買ってみようかな』　『行ってみようかな』まで思ってもらえるような内容を心がけています」

昨夏投稿した和歌山の「ホテル川久」の記事は、ヒットの多い旅行記事のなかでも人気。「総工費400億」や「コスパ良すぎる！」という目を引くタイトル効果なのか、多くの人が閲覧した。

 「このホテルは予約も取りやすいうえ、値段もさほど高くないのに、食事の内容やお部屋、温泉が最高で。ぜひ読者の方々とシェアしたい！と思い記事化しました。『次の旅行の候補になった』　『実際に行ってきた』という声をもらうことも多く、初めてヒットしたブログでもあったので印象に残っています」

今年1月に投稿した「眉アートメイクレポ」の記事は、たまたまアートメイクを施術したときの写真が残っていたことから4年後のリアルなその後も紹介できた力作。バイラーズブログランキングで初めて1位を取れたり、「参考になりました」とコメントをもらったりと反響もあり、思い入れのある記事になったそう。

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撮影／沼尾翔平　ヘア＆メイク／YUMBOU（ilumini.）　取材・文／坂田圭永