チームリーダーとして一歩を踏み出した先輩をクローズアップする連載。今回は、LINEヤフー株式会社で活躍する大橋徳美さんにフォーカス。プレイヤーとして培った強みを武器に、リーダーとして新たな挑戦を続ける大橋さん。周囲から期待される自分と向き合いながら見つけた、自分らしいリーダーシップの形とは?
どう見られ、何を期待されているか正しく知ることがリーダーの第一歩

LINEヤフー株式会社 コーポレートビジネスドメイン ビジネスPF SBU ビジネスPF企画ユニット ユニットリード
大橋徳美さん

私のキャリアの大きなターニングポイントになったのは、現職の本部長に任命されたとき。そもそも私は、マネジメントよりもプロダクトをつくっているほうが会社に貢献できると思っていたので。上の人からの推薦で大きい組織のマネジメント職に抜擢されたことで自分の認知と他者から見える自分に乖離があると気づいたんです。組織を代表する立場になるからには、そのギャップを認識しないとチームをうまくまとめられない。リーダーとしての振る舞い方に悩み、周りからどう見えているか、期待値は何なのかを現上司にもたくさん相談しました。意外だったのは、プレイヤーとしての強みだったアウトプット力を、マネジメントの分野でも期待してもらえていたこと。自分を正しく理解することは、リーダーになる上で必要だったと思います。
大橋さんのHISTORY
35歳【2020年】
LINE株式会社(当時)に入社
現在のビジネス企画本部に配属
企業・店舗向けのプロダクト企画を担当
37歳~38歳:リーダーシップ形成期
リーダーになった37歳【2022年】
プロダクト企画チームのマネージャーに就任
38歳【2023年】
同部の室長に昇格
39歳~41歳:リーダー像模索期
39歳【2024年】
同部の本部長に昇格
41歳【2026年】
本部長(現ユニットリード)として、
LINE公式アカウントなどの
プロダクト企画に携わる
Q 今の会社に入社したきっかけは?
プロダクトづくりがしたかったから
前職は事業会社でUI・UXのデザイナーをしていましたが、社会に対し影響力のあるプロダクトづくりがしてみたいと思い入社しました。ユーザーの生活まで変えるレベルのプラットフォームでプロダクトづくりに関われるなんて、こんなに面白いことはありません!
Q ズバリ、体力はある? ない?
思考体力はあります!
フィジカルの体力は本当にありません……。でも夢中になると時間を忘れて没頭できるし、お腹も減らないくらい集中力が続きます。デザイナー時代に深く考えたり、新しいことを想像したり、頭の中を飽和状態にする癖があったので、思考体力はあるタイプです。
Q 30代でしてよかったことは?
キャリアの拡大を自分で深掘りすること
20代は「ずっとデザイナーとして働いていくんだろうな」と考えていました。でも職域にしばられる必要はないし、キャリアを拡大するか、伸長するか、その方向性を一度深く考えておくことは必要だと思ったんです。30代のうちにジョブチェンジできたことはよかったです。
ある一日のスケジュール
10:00 出社、承認作業などのデスクワーク
11:00 チーム内の会議に出席
12:00 同僚とランチ
13:00 チーム長の会議に出席
14:00 チームメンバーとの1on1
16:00 チームメンバーの業務進捗を確認。適宜、トラブルへの対応など
18:00 退勤
19:00 終業。退勤後は同僚と食事へ
権限の承認作業は出社後すぐの朝の時間帯に。本部長はどこのチームにも属さないポジションのため、積極的にメンバーとのランチに参加させてもらったり、自分から食事会を企画することも。朝から会議やミーティングに参加したあと、夕方はオフィスでメンバーに声をかけ雑談をするのがルーティン。新しく入社した人や、あまり話したことがないメンバーからもフランクに話しかけてもらえるよう、自らコミュニケーションをとっている。
仕事のマストアイテム

1 ストレートネック予防のため、スマホにはスタンドを装着。
2 オフィスの乾燥対策には「RMK」のフェイスミストを。
3 お気に入りのブラウンのグッズたち。福岡ソフトバンクホークスのユニホームを着たブラウンは、思い入れのあるメンバーからもらった大切なもの。
オフの日の過ごし方

旅行が好きで、年に一度は海外へ。これまでフィンランドのヘルシンキやデンマークのコペンハーゲン、オーストリアのウィーンを訪れた。友人に会うため、大学院時代に留学していたドイツに寄ることも。北欧のデザインが好きなので、今年もフィンランドへ行く予定。
本部長への就任は大きなプレッシャーだった

LINEヤフー株式会社の大橋徳美さんは、LINE公式アカウントなど、ビジネスオーナー向けサービスのプロダクトを企画する部署の本部長を務めている。
「2020年にプロダクトマネージャーとして入社後、初めてリーダーを任されたのが2022年。その後、2023年に室長になりました。世の中にあるマネジメント本は多少読みましたが、当時は自分の担当範囲はそれほど広くはなく、メンバーも優秀な方ばかり。みんなでワイワイ『いいものをつくろう!』という温度感でマネージャーをしていました」
「流されるままにマネジメント的なことをしていた」と振り返る大橋さんのターニングポイントになったのは、今から2年前の39歳のとき。前任者が退職するにあたり、本部長に抜擢された。
「一気に自分が見る領域が広がるため、相当な覚悟が必要でした。前任の方はチームからすごく信頼されていてカルチャーもできあがっていたので、そこから自分が引き継ぐことのプレッシャーはとても大きかったです」
就任当初は悩むことも多かった大橋さん。助言を求めたのは、組織デザインに長けていた前任者だった。
「どんなことを考えながらマネジメントをしたのかなど、本当にいろんなことを聞きました。中でも勉強になったのは、『個人がやりたいこと、組織がやりたいことが一致したときにパフォーマンスが最大化する』という考え。メンバーとの対話において、どんなときにテンションが上がるかを深掘りし、適正にあったアサインをすることは大切にしています」
まじめな対話を好む人、フランクな接し方が合う人、はっきりフィードバックしたほうが受け取りやすい人など、相手の個性によって接し方を変えることも意識している。
「ドイツに留学したとき、集団で意思決定せず、個人を重んじるカルチャーに衝撃を受けました。『みんな違う意見を持っているはず』という個別性を前提にしてコミュニケーションをとることは、そこで培ったことかもしれません。リーダーがメンバーから求められているのは、心理的安全性。相談してもらえる振る舞いを意識しています」
失敗から学んだメンバーを巻き込む力
直属のリーダーだけで7人、メンバーは兼務を含めると約100人の大所帯。だからこそ業務をメンバーに属人化させず、個人の知見を開示して透明化し、チーム全体の知見にしていくことも大切に。
「放っておくとそれぞれのプロジェクト単位で動いてしまうので、コミュニケーションツールひとつをとっても、横のチームで何が動いているのかわかる仕組みを整えています。連携することでシナジーが湧くこともたくさんあるので、自分がメンバーの前で話すときにも、必ず情報流通の大切さを伝えています」
情報を抱え込まない姿勢は、大橋さん自身も同じ。メンバーを巻き込む大切さは、失敗から学んだことだという。
「他部署からの相談や問い合わせが来たときに、メンバーに迷惑をかけないように自分がいったん引き受けていたことがあるんです。結局、領域が広いので自分が回答できることも限られていて、時間を浪費しただけのこともありました。長引くとどこにも着地しないので、最近は即メンバーを巻き込むようにしています」
それは、信頼関係をしっかり築けてきたことの証でもある。
「メンバーは本当に親切な人が多いんです。私自身、やらなくてはいけない手続きを本当に忘れてしまうので、メンバーが『絶対忘れないでくださいね』とか、『やっておきましたよ』と自発的に声をかけてくれます。自分の弱みも隠さずにさらけ出したことで、面倒を見てもらえるようになりました(笑)。私がリーダーになったことで、さらに“チームで結果を出す”カルチャーが育ってきたと思います」
撮影/田中 瞳 ヘア&メイク/浅井千緩 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2026年7月号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。















































































